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【経理の転職】大手企業が求める人材とは【採用担当が紹介】

 

大手企業への転職に興味がある人

『人気の大手企業に転職したいんだけど、自分が経理に転職できるか不安だな。経理ってどんな人が転職できるのか知りたいな。』

こんな疑問にお答えします。

✓この記事で解決できる悩み・不安

・大手企業ってどんな人を求めてるのかな、、、

・自分でも大手の経理に転職できるかな、、、

・大手経理に必要なスキルとか経験ってどんなものかな、、、

 

こんにちは、複数の会社で採用担当をしていた、税理士のまぐすです。

 

この記事では、大手企業の経理への転職に興味がある人に向けて、「求められている人材とは?」という疑問にお答えします。

✓この記事の信頼性

この記事を書いている僕は、4大税理士法人から5大総合商社・大手金融を経て、現在ではまったり海外生活をしています。

現職でもそうですが、各企業では採用担当もしていました。

そのため、転職者側の心境と、企業側の考えの両方を把握しています。

 

「経理の転職」といっても、中小企業と大企業では、求められている人材は大きく異なります。

とはいえ、中小企業で身に付けたスキルや経験も、正しくアピールできれば十分に転職可能です。

この記事を読んで、「大手企業の経理に挑戦してみよう!」と思ってもらえたら嬉しいです。

 

それでは、紹介していきますね。

 

大手企業が求める人材

 

まずは結論、大手企業が求める人材を紹介します。

 

求められる人材は2パターン

 

「転職」と言っても、挑戦する次の会社の業界・職種によって、大きく4つのパターンに分けられます。

 

転職の4つのパターンと「求められる人材」は、以下の通りです。

職種
同じ 違う
業種 同じ 即戦力 チャレンジ
違う 知識・経験の応用 ゼロスタート

つまり、大手企業が求めている人材は、「即戦力」「知識・経験の応用」となるべき人です。

 

なお、上記4区分の具体例や詳しい説明については、こちらの記事で紹介しています。

転職の際の具体的な戦略なども紹介しているので、ぜひご覧ください。

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「ポテンシャル人材」は、いくらでもいる

 

人気の大手企業の場合、新卒採用の枠には優秀な大学出身の人たちが群がります。

その中でも、特に優秀な人たちの一部が、その内定を勝ち取ります。

 

そのため、大手企業としては、「ポテンシャルが高い社員だったら、いくらでも内部にいるよ!」と思っています。

それは当然ですよね。

「ポテンシャルが高い人材は、内部にいくらでもいる」と思っていなければ、「自分たち又は人事の採用力が低い」と言っているようなもんですからね。

 

転職者というのは、何かしらを補う存在です。

例えば、「人が足りない」「そういったスキルを持った人がいない」「何か変化を与えて欲しい」といったものです。

 

そのため、既に内部にいるような人材と同じフィールドで競っても、コストや時間をかけてまで転職者を採用しようと思うモチベーションは、大手企業にはありませんよ。

 

必要なのは「知識」か「経験」

 

大手企業の経理に転職するなら、武器となるのは「知識」か「経験」、またはその両方です。

 

「ちょっとした知識」も強みになる

 

「大手企業で“知識”って言ったら、相当レベルが高く、しかも色んなこと知ってなきゃダメなんでしょ、、、」

そう思う人も少なくないかもしれません。

でも実は、そうでもないんです。

 

大手企業は「専門性」が大事

 

確かに、中小企業では幅広い知識が求められます。

 

中小企業の場合、一言で「経理」といっても、求められるスキルはかなり幅広いです。

例えば、会計や税務の知識だけでなく、人事や総務、時には法務の知識も求められます。

というのも、中小企業の場合には「バックオフィス」が一体になっているケースが少なくないからです。

 

一方で、大手企業は違います。

中小企業と違い、名前だけじゃなく、機能としても経理部は独立しているのが一般的。

そのため、厭くまで経理業務に関連した、会計や税務の、より深い専門知識が求められます。

特に上場企業では、経理部は有価証券報告書や決算短信などの開示資料や、内部統制などの機能も持っています。

 

そういった経理の分野のうち細かな業務も、大手企業であれば個々で役割分担されているケースが多くあります。

そのため、「何かちょっとした知識だけ」であっても、大手企業では必要とされるケースはたくさんあります。

 

「AIに取って代わられる」はウソ

 

「でも、経理ってすぐにAIに取られてなくなっちゃう職業でしょ!?」

そう思っている人も少なくないと思います。

ですが、そうではありません。

 

国立情報学研究所教授、同社会共有知研究センター長で、日本有数のAIに精通されている新井紀子さんのこちらの本、『【2019年ビジネス書大賞 大賞】AI vs. 教科書が読めない子どもたち』によれば、以下のような仕事が今後は価値があるとされています。

ポイントは、「算式には落とし込めない、計算機では解けない『読解力』を必要とする仕事は残る」ということです。

 

確かに、従来の会計処理や税務申告業務など、経理周りの仕事は今後どんどん自動化されていくかもしれません。

でも、それは弁護士や医者だって同じように言われています。

・弁護士助手だけではなく、弁護士、医者、証券マンなど、知的エリートと言われている人々の仕事も危うい。法律の専門知識を活かしたアドバイスも、コンピューターなら最適な法律、事例、判例を一瞬で提示してくれるだろう。

・医者も同じだ。医学的知見の膨大なデータベースはひとりの医者の中にはとても入らないが、コンピューターなら別だ。また、証券マンの世界は既にコンピューター化が進んでいて、人間にはとても追いつかない、1000分の1秒単位で株の売買を繰り返す超高速取引というシステムで機械が人間よりも稼いでいる。

出展:テンミニッツTV「あなたの仕事は大丈夫?消える11の職業

 

つまりは、「単純作業をしている人は危機感を持つべき」というだけ。

盲目的に「すべてがなくなる」と考えるのは危険です。

 

今後の経理業界においても、単に「計算が早い」とか「PCスキルがある」のではなく、ちゃんと条文や制度を解釈し、判断する力さえあれば、恐れる必要はありません。

 

むしろ、そういうスキルを磨いて頑張っている人こそ、評価される社会になりつつあるともいえるかもしれませんね。

 

なお、AIと会計・税理士業界の未来については、こちらの記事で詳しく紹介しているので、ぜひご覧くださいね。

 

英語力も強みになる

 

人気の大手企業のほとんどが、海外にも展開しているグローバル企業です。

多くの企業が、今後も海外進出・拡大に意欲的との調査結果も出ています。

最近の海外ビジネスをめぐる環境は、保護主義的な動きの台頭など変化が大きく、経営資源の投入を伴う海外進出方針の決定には困難さが増している。

だが、このような状況においても、前年と同様に約6割の企業が今後の海外進出について拡大方針を取るとした。

出展:JETRO「日本企業の海外進出方針、選択の背景は

 

大手企業では、会計基準のグローバル化・統一化に加えて、海外も含めて入社後のキャリアには必ずといってもいいくらい、英語を使う仕事が付いて回ります。

 

実は、ビジネスパーソンなら誰もが知ってる「大前研一」さんも、こちらのビジネス書で以下のように述べています。

とくに私が肝に銘じているのが、「現代のビジネスマン3種の神器は英語・IT・ファイナンスである。」 という点だ。

出展:民の見えざる手 デフレ不況時代の新・国富論

 


そのため、「会計×英語」という二つのスキルを掛け合わせるだけでも、かなり魅力的な人材になると言われています。

「会計×英語」のスキルの重要さ・市場価値の高さについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。

 

「英語も頑張りたいな!」という人は、ぜひこちらの記事もチェックしてみてくださいね。

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自分の「経験」に自信を持とう

 

「とはいえ、自分は大した経験もないし、、、」そう思ってしまっている人もいるかもしれません。

でも、「自分の経験」を評価するのは企業側。自己評価に左右される必要はありません。

 

「経験」は実はすごく価値がある

 

現代の上場企業の経理の仕事とは、単に数字を集めて決算書を作るだけではありません。その分野はかなり幅広くなってきています。

 

大手企業の経理の仕事とは、例えば以下のようなことがあります。

✓大手企業の経理の仕事例

・決算書作成

・税務申告

・売上・仕入管理

・資金管理

・予算実績管理

・内部統制 など

 

会計処理や内部統制の強化など、経理業務はかなり増えてきました。

上記でも説明した通り、新卒で上場企業に入社すると、専門性は磨けるものの、幅広い経験を積むには相当な年数が必要になります。

そのため、他の大手企業や会計事務所で、専門性の高い業務を行っていた人だけでなく、中小企業で幅広い業務経験がある人も、企業からすると価値が高いということが良くあります。

 

大手企業としては、幅広い経験がある人なら、入社後のキャリアプランも立てやすくなるため、採用しやすいといった事情もあります。

 

自分で勝手に低い自己評価をするのではなく、そういった企業側の都合も考えてあげれば、「実は自分の経験に価値がある」ということに気が付けるかもしれませんよ。

 

マネジメント経験もあるといい

 

とはいえ、大手企業は人数が多い組織。

キャリアを積んでいけば自然と部下を抱えることになります。

企業が内定が出しやすい人というのは、「その人のキャリアをイメージしやすい人」です。

 

仮に高い専門知識を持っていたとしても、それだけではその人のキャリアをイメージしにくいです。

イメージしにくいとなると、その人が長く自分の会社で働いてくれるイメージができないので、内定を出しにくくなります。

そのため、少なくてもいいのでマネジメント経験はアピールすべき

 

採用担当をしていて気が付いたことは、「マネジメント経験」というと「どれだけの人数を束ねていたか」と考えている人が少なくないということ。

でも、求めている「マネジメント経験」は違います。

人数が多いor少ないではなく、「チームをどのようにして動かして、困難を乗り切ったか」です。

 

大手企業と言ったって、課長や部長レベルにならなきゃ、それほど多くの人数を束ねることはありません。

そのため、人数ではなく「困難を乗り切った方法・ストーリー」が大切です。

 

もし、小さくてもリーダーの立場になったことがある人は、ぜひそういった経験もアピールしてくださいね。

 

まとめ

 

最後に、この記事のおさらいです。

転職には4つのパターンがありますが、大手企業が求めている人材は、「即戦力」「知識・経験の応用」となるべき人です。

 

また、「知識」と「経験」が必要となりますが、何も公認会計士や税理士の資格を持っていなければいけないわけじゃないし、「経験」というのも、中小企業での経験も十分に評価に値します。

 

まずは動いてみることが大事

 

自分の知識・経験を評価するのは、自分自身ではなく企業側。

どんな知識・経験だって企業側が必要と思えば、内定がもらえます。

自分で勝手に評価せず、まずは自分を評価してくれそうな企業を探してみよう。

 

「とはいえ、自信ないな、、、」という人も少なくないと思います。

だからこそ、「まずは動いてみよう」というのが大事です。

 

実際に自分の目で見てから考えればOKです。

大手企業にちょっとでも憧れがあるのに、自分でその可能性をつぶしてしまう必要はありません。

まずは自分で確認してみてくださいね。

 

内定が取りやすい大手企業の求人は「非公開求人」が多い

 

「よし、とりあえずネットで探してみるか!」

そう思う人もいると思います。多くの企業がリクルートのページを設けていますからね。

でも、本当に大事な求人は「非公開求人」という場合がほとんどです。

 

僕が大手企業で採用担当をしていたときもそうですが、本当に大切な求人は「非公開求人」になっています。

「非公開求人」を狙うべき理由や、企業がなぜ「非公開求人」とするのかについては、こちらの記事で詳しく紹介しているので、ぜひご覧くださいね。

【採用担当が解説】転職するなら非公開求人がおすすめな理由【探し方も紹介】 こんな疑問にお答えします。 ✓この記事の想定読者 ・転職に興味がある人 ・非公開求人に応募しようか...

 

「非公開求人」は、そういった求人を扱う転職サイト・転職エージェントしか持っていないので、注意してください。

自分でインターネットで探して応募してしまうと、その後に自分にあった非公開求人を見つけても「応募できない」なんてことにもなりかねませんよ。

 

僕がおすすめする、「大手企業の経理に強い」「非公開求人を多く扱っている」転職サイトは、以下の通りです。

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今回は以上です。

「ちょっと自信がないな、、、」という人が、この記事を読んで1歩を踏み出してくれたら嬉しいです。

ありがとうございました。

 

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