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税理士業界は学歴が必要?試験や就職と学歴の関係【採用担当が解説】

 

税理士業界に転職しようとしている人

『税理士業界に挑戦しようと思っているんだけど、どんな会計事務所がいいか悩んでる。やっぱり大手税理士法人に就職するときや、税理士業界で出世するには学歴って大事なのかな。自分は学歴に自信がないし、、、』

こんな悩みにお答えします。

 

✓この記事の想定読者

・会計事務所に就職しようと考えている税理士受験生

・税理士業界に転職しようとしている業界初心者

・業界内で転職しようか悩んでいる税理士業界で働く人

 

こんにちは、4大税理士法人で採用担当をしていた、税理士のまぐすです。

この記事では、税理士業界における「就職や出世と、学歴の関係」について解説していきたいと思います。

✓この記事の信頼性

この記事を書いている僕は、元4大税理士法人で採用担当をしていました。そのため、4大税理士法人がどのような学歴の人たちを採用しているか把握しています。

また、5大総合商社や大手金融で4大税理士法人や中小会計事務所を利用する立場にもいたので、業界内に幅広く友人がいます。

 

僕自身、大きな挫折をして第一希望の大学にも入れなかった人間です。決して学歴に自信があるタイプではありませんでした。

それでも、4大税理士法人、5大総合商社、大手金融とキャリアを積むことができました

そのため、この記事を読めば、「税理士業界における学歴の重要性」や「仮に学歴がなかった場合にどのようなことが大事か」が分かってもらえると思います。

 

ぜひ最後までご覧くださいね。

 

試験や就職に学歴が関係する?

 

一般企業への就職では、学歴って採用基準の1つですよね。

事実、僕が務めていた5大総合商社で採用担当をしていたとき、具体的に学歴の基準がありました。

 

でも、税理士業界ではちょっと違います。

 

結論、学歴はあればいいけど、特に必要なし

 

最難関国家資格の1つである税理士資格ですが、結論、ほとんど学歴は影響しません。

以下で、詳しく解説していきますね。

 

そもそも、どんな時に学歴が影響する?

 

税理士業界で、学歴が影響する場面は、主に以下のようなときです。

 

・税理士試験に挑戦するとき

・会計事務所に就職するとき

・出世争いのとき

 

こういった場面で「学歴が影響するのでは?」と思うと思います。

確かに影響はあるのですが、「学歴が影響する理由」が異なります。

 

そこで以下では、それぞれの場面に分けて解説していきますね。

 

影響①:税理士試験に挑戦するとき

 

正直、税理士試験では大卒以上の学歴があった方がいいです。

 

「あった方がいい」というだけで、「なきゃダメ」ということではありません

でも、影響があるのも事実。

 

試験の受験資格は、大卒の方が楽

 

税理士試験を受験するにあたっては、大卒以上の学歴があった方がいいです。

 

なぜなら、税理士試験の受験資格が、大卒以上の方が楽だから

 

実は、税理士試験には受験資格が必要です。

具体的には、以下の通りです。

 

✓税理士試験の受験資格

・大学3年次以上で、法律学または経済学を1科目以上含む62単位以上取得した人

・日商簿記検定1級合格者

・全経簿記検定上級合格者 など

出展:国税庁ホームページ「受験資格について

 

大卒で法律学や経済学を学んでないと、税理士試験とは別に「日商簿記検定1級」なども受からなきゃいけないんです。

 

日商簿記1級は、結構キツイ

 

「え、でも日商簿記1級に受かればいいんでしょ?」

という人もいると思います。

確かにそうです。

 

でも、日商簿記検定1級と、税理士試験の1つの科目「簿記論」って、内容や難易度が近いという人もいます。

かなり難しいです。

 

それなら、最終目的が税理士試験合格なんだから、「簿記論」を勉強しちゃった方が早いですよね。

 

試験の合格率と学歴も関係なし

 

税理士試験の合格率と、学歴。

実は、これも特に影響がないんです。

 

こちらは、国税庁が公表している税理士試験合格者と合格率の関係です。

 

✓令和元年度(第69回)税理士試験の、学歴区分と合格率

・大学卒:17.3%
・大学在学中:32.9%
・短大・旧専卒:11.9%
・専門学校卒:15.9%
・高校・旧中卒:21.0%
・その他:38.1%

出展:国税庁ホームページ「令和元年度(第69回)税理士試験結果

 

受験者数自体は、大学卒が圧倒的に多いです。

ですが、合格率を見ればそれほど大きく変わらないことが分かりますよね。

 

影響②:会計事務所に就職するとき

 

一般企業同様、気になるのは就職するときですよね。

でも、会計事務所や税理士法人へ就職するとき、学歴は「あった方がいいけど、なくてもOK」です。

 

4大税理士法人だって高学歴じゃない人がたくさんいる

 

僕が知る限り、税理士業界にいる人は、大手の一般企業と比べて以下のような学歴の特徴があります。

 

・そもそも東大や京大、早慶のような高学歴が少ない

・パートナー自身もみんなが決して超高学歴というわけではない

・仕事がタフなので、学歴とプライドが高いと扱いにくいと思われるかも

 

実は、最大手である4大税理士法人だって、高卒や地方私大卒の人がたくさんいます

さらに言えば、そういった学歴のパートナーだってたくさんいます。

 

また、最終学歴でいえば、有名大学じゃない人もかなり多い

特に、大学院での科目免除を利用している人は、有名大学以外の大学院を卒業している人がほとんどです。

 

こちらの記事で詳しく紹介しているので、気になる人はぜひ覗いてみてくださいね。

 

【採用基準】Big 4(四大)税理士法人の採用基準の特徴3選【元面接官が説明します】 こんな悩みを解決します。 ✓この記事の想定読者 ・4大税理士法人に興味がある人 ・税理士業界で転職を考えて...

 

実際にリサーチしてみよう

 

とはいえ、自分の目で見てみないと信じられない人も多いかもしれません。

確かに、事務所ごとで基準が異なるのも事実。

 

そのため、自分の目で実際に確認してみるのがおすすめ。

 

まずは簡単に転職サイトに登録して、市場調査してみてください。

きっと自信が持てるようになると思いますよ。

 

こちらの記事でおすすめ転職サイト・エージェントを詳しく紹介しているので、ぜひご覧ください。

【実体験】税務・経理に強い転職サイト・エージェント紹介と比較まとめ こんな疑問にお答えします。 ✓この記事の想定読者 ・公認会計士や税理士、税理士科目合格者や経理で働いている人 ...

 

>>おすすめ転職サイトで市場リサーチしてみる

 

影響③:出世争いのとき

 

「なんとか入社できても、どうせ学歴がなければ出世できないんでしょ、、、」

そう心配する人もいるかもしれません。気持ちは分かります。

 

一般企業では、出世争いのときに学歴が影響してくるケースもありますよね。

 

事実、僕が務めていた大手金融機関では、東大・京大・一橋で派閥が分かれていましたよ、、、

 

でも、税理士業界ではそんなの関係ないです。

大手や中堅税理士法人で、学歴が出世争いに影響したなんて聞いたことがありません。

 

なぜなら、上記のとおり上司が高学歴じゃないことが多いからです。

 

正直なところ、会計事務所や税理士法人で働いている人の学歴、ほとんど気にしたことがありません。

 

唯一、気にしたことがあるとすれば、採用担当だったときだけです。

もちろん、履歴書には学歴も掲載されているので、高学歴の応募者がいれば「お、すごいな!」とは思います。

ですが、それだけで採用することは全くありませんでしたよ。

 

学歴よりも必要なのは「やる気」

 

税理士業界で頑張っていくなら、学歴よりも大切なことがあります。

採用担当の目線から言えば、大切なのは学歴よりも「やる気」です。

 

基本的には成果主義

 

税理士業界は、専門性が高い業界。

そのため、事務所やその人のポジションによって違いはあると思いますが、基本的には「成果主義」と思った方がいいです。

 

結局のところ、「売上に貢献できているか」「顧客からの評判はいいか」といったことの方が、学歴なんかよりも全然大切なんです。

一般企業における営業マンのイメージの方が近いかもしれませんね。

 

求められているのは「顧客からの信頼」

 

「売上に貢献する」「顧客からの評判を得る」ためには、結局は「顧客からの信頼」が大切。

例えば、病院を選ぶ際に、その先生の学歴って気にしたことありますか?それよりも、評判や口コミ、実績で選びますよね。

 

信頼を得るには、学歴よりも知識や経験の方が大切ですよね。

 

税理士もそれと同じです。

 

例えば、こちらの記事では税理士として活躍するために必要なスキル例として、以下の3つを挙げられています。

 

・「コミュニケーション力」「会計を正確にスピーディーに進める力」「税務知識」

・税理士の仕事で必要な能力と学歴にはあまり因果関係がない

・(活躍している人は)努力を怠らず、自分の強みを伸ばし、弱みを克服した人たち

出展:「税理士の仕事に学歴は関係ありますか?

 

結局のところ、求められているのは、学歴ではなく「どうしたら顧客からの信頼が得られるか」に繋がるスキルなんです。

 

学歴よりも「やる気」が大切

 

「顧客からの信頼」を得るためには、処理スキルや知識などが必要。

では、採用担当の立場からすれば、どういった人を採用するか。

 

それは、「やる気」が感じられるかどうかです。

 

例えば、PCスキルや税務知識などは、いくら履歴書に上手に表現されていても、実際のところは分からないし、年々難しくなっていく税制をキャッチアップできるかどうかは分かりません。

そのため、「やる気があるかどうか」という目線で見ています。

 

詳しくはこちらの記事で紹介しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。

 

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学歴なんて気にせず挑戦すべき

 

上記の通り、税理士業界では学歴の影響なんてほとんどありません。

税理士試験や、会計事務所への就職・転職に興味がある人は、学歴を気にせずドンドン挑戦すべきです。

 

「+α」のスキルがあると有利

 

とはいえ、就職・転職するとしたら、ライバル達と違いがなければ採用されにくいのも事実。

もし学歴に自信がなければ、「+α」のスキルを身に付けておくのがおすすめ

 

英語は評価されやすい

 

個人的におすすめなのが、英語です。

「え、税理士に英語なんて必要ないんじゃないの?」

そう思う人もいるかもしれませんが、英語ができる人材は需要がかなり高いです。

 

特に、中堅から大手の会計事務所や税理士法人に転職を考えている人にとっては、とても大切なスキルです。

こちらの記事で詳しく紹介しているので、英語に興味がある人はぜひ見てみてくださいね。

【税理士法人・会計事務所】未経験者が転職に必要なスキル・経験とは【資格は必須じゃない】 こんな疑問にお答えします。 ✔本記事の内容 ・ 会計事務所や税理士法人に就職するための必須スキル...

 

また、TOEIC 400点台から独学で900点台になった僕がおすすめする英語の勉強法は、こちらの記事で詳しく紹介しています。

少しでも英語に興味がある人は、ぜひ見てみてくださいね。

【実体験】社会人が英語力を身につけるおすすめ勉強法6つを比較まとめ【国際税理士が解説】 こういった疑問にお答えします。 ✓この記事の想定読者 ・英語の勉強を始めたい社会人 ・どんな勉強法が自分に...

 

税理士試験に早く合格すると評価される

 

「税理士試験に早く合格した」ということも、実は評価されるための1つの実績です。

税理士試験に苦戦している人も多くいる中で、2~3年である程度合格できたってだけでも、十分にすごいことです。

それは、就職・転職においても重要視されています。

 

税理士科目に拘るよりも、すぐに合格できて早く実務についた方が、評価されやすいですよ。

 

まずは動いてみよう

 

一般的に、就職や転職では学歴が重要視されがち。

そのため、税理士業界についても「学歴は大事」と思う人も多いと思います。気持ち分かります。

だからこそ、一度自分の目で見てみてもらいたいと考えています。

 

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今回は以上です。ありがとうございました。

 

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