『書店に行くと、同じテーマでもかなり多くの専門書があるけど、1番意味のある本を購入したい。さらに、専門書は値段が高い…失敗したくないな。専門書を選ぶコツを教えて欲しい』
こんな悩みにお答えします。
✔この記事から得られること
・ 良い専門書を選ぶコツがわかる
・ 無駄な専門書を選ばなくなる
・ 欲しい知識が効率的に吸収できるようになる
この記事を書いている僕は、税理士として、上場企業や外資系企業をクライアントに、主にM&Aや組織再編、海外取引に関する税務アドバイザーとして活動しています。
大手企業や外資系企業の場合、組織再編税制や移転価格税制、連結納税などの複雑な制度に対する高度な知識を要求されます。
そうした中で培われた最も有益な専門書に出会う方法、専門書の選び方について解説します。
ポイントは以下の5つです。
✔絶対に失敗しない専門書の選び方のコツ
ポイント①:網羅性があるか
ポイント②:端的にまとまっているか
ポイント③:明確な根拠も記載されているか
ポイント④:改版されているか
ポイント⑤:著者は実績があるか
また、M&Aや組織再編などでは会社法や民法などの周辺法令に関する深い知識も要求されるため、専門書を読み漁って必死に勉強していました。
そのため、ここでお話しする内容は税法以外の法律や医療、エンジニアなどの専門分野の勉強にも十分に使えると思います。
それでは、解説していきますね。
📓もくじ
ポイント①:網羅性があるか
専門書の場合、網羅性が担保されている事は絶対条件です。
法律書や金融取引に関する本などは、条件や環境が変わればすぐに別の結論になってしまうもの。
従って、難しいからといって安易に薄っぺらい本を選ぶのは厳禁です。
初めから分厚い本を選ぶと挫折してしまいそうになるかもしれませんが、一度間違って覚えてしまって取り返しが付かなくなるよりはマシですよね。
『網羅性を確認するコツは、まずは目次を見ることです』
その本が網羅的に解説されているかどうかを判断するコツは、最初に目次を見て、そこに自分が欲しい知識が掲載されているかどうかを確認することです。
筆者も、専門書が読みにくい事は分かっています。なぜなら、専門的すぎてわからないことを解説している本だからです。
だからこそ、少しでもわかりやすくするために、構成すなわち目次にはかなりこだわっています。
その目次を見て「どんなことが書いてあるか」「自分が欲しい知識があるか」をまずは判断しましょう。
もし仮にそれがよくわからなければ、他の本にしたほうがいいと思いますよ。
ポイント②:端的にまとまっているか
網羅性のある本を選ぶべきとは言え、途中で挫折してしまっては元も子もありません。
そのため、次に大切になってくるのが、端的に説明されているかどうかです。
網羅性があり、ただし端的に説明されている専門書は、間違いなく良書と言えるでしょう。
『特に、各項目が事例形式で解説されていると理解しやすいですよ』
専門分野によっては、いくら丁寧に説明されても、よく意味がわからないものもありますよね。
そういった場合、各項目が事例形式で開設された方を選ぶのがオススメです。
それは、具体的なイメージをしながら読むことができるからです。
ポイント③:明確な根拠も記載されているか
残念ながら、一番の専門書は『法律そのもの』です。
なぜなら、法律そのものには以下のような特徴があるからです。
・ それに従っていれば間違いはない
・ そこに載っていることが全て
専門書の購入を検討しているということは、ある専門分野に興味があるということかと思いますが、以下が鉄則ですのでぜひ覚えておいてください。
専門分野においては、法律や裁判など、原点に立ち返ることが重要
繰り返しですが、これは絶対です。
これは基本的に、他の分野に関しても同じことがいえます。
例えば医療の世界で言えば、過去に開発された治療法や、研究しつくされた論文が、その業界における法律・基準になるでしょう。
どんな業界でも、法律や論文など、大元となるものが1番の専門書です。
つまり、いくら本を読んだからといって、それがあなたの事例に必ずしも当てはまるかどうかはわかりません。
したがって、非常に難しい事例に遭遇した場合や、ぴったり当てはまる例示が見当たらない場合には、必ずその大元(法律や論文など)に立ち返る必要があります。
とは言え、法律のどこを見ればいいかわからなければ、また膨大な時間がかかってしまいますよね。
そのため、ちゃんと情報源である法律の条文番号や、論文の名前等が掲載されている方を選ぶようにしましょう。
ポイント④:改版されているか
良書と言うのは、必ず改版されています。
良書かどうかを判断する1つのポイントは、その本が何版にも増刷されているかどうかです。やはり、ロングセラーとなっている本にはそれなりの理由がありますよ。
開版されていると言う事から、以下のことがわかります。
・ コストをかけて開発できるくらい人気がある
・ 出来るだけ最新の情報が掲載されている
・ 今後も継続的に利用できる可能性が高い(適宜改版されるから)
改版されると言う事は、それだけ需要がある証拠です。
反対に、例えば法律の改正や新たな方法が開発されたにも関わらず改版されないと言う事は、あまり需要がないから、筆者がもう執筆活動に興味がなくなっている証拠かもしれません。
口コミなどを見るよりも、ある程度信頼性が高い判断基準ですよ!
また、専門書を選ぶ上で忘れてはいけないのが、次のような目線。
『気に入った専門書に出会ったら、継続してその本を使い倒す』
一度自分に合った専門書を見つけたら、その本を継続的に購入するようにしましょう。
専門書は、書いてある事や言う回しが難しく、さらにボリューム多いことから、自分が『読みやすいな』『読んでてストレスを感じないな』智子に出会ったら、それは運命だと思った方がいいです。
それを今後も継続して使っていくことで、最初に読んだときの何十倍も簡単に自分が必要な情報にたどり着けるようになりますし、どこに何が掲載されているかもすぐにわかるようになりますよ。
使い続けるためには、その本が常に最新版でなければなりません。
改定されるという事は、それだけ大切なことなのです。
ポイント⑤:著者は実績があるか
最後のポイントは、その筆者がその分野・業界で実績があるかどうかです。
もちろん、例えば「野球の練習方法」に関する本に関して、「一流のメジャーリーガーでなければならない」ということを言ってるわけではありません。
むしろ「野球」ないし「教えること」をずっとやり続けてきた人かどうかが大切です。
当たり前のことかもしれませんが、専門書と言うと、その内容がある日いきなり大きく変わる事はありません。
例えば『明日から税金がなくなる』なんて事はありませんよね。『明日から急に癌がなくなる』なんてこともありません。
専門分野においては、その業界で長く成果を上げてきているということが非常に大切なことです。
売れている本と言うのは、もちろん良書が多いのも事実ですが、まれにその内容ではなく『マーケティングが上手かったから』『Google砲にあったから』なんてこともあります。
そうしたことを避けるためにも、その筆者がどれだけその業界で長く活躍しているか、どれだけの実績を残しているかと言うことも、良書を選ぶための大切な判断基準の1つです。
さいごに
最後に、本気で説明したポイントをおさらいします。
ポイント①:網羅性があるか
ポイント②:端的にまとまっているか
ポイント③:明確な根拠も記載されているか
ポイント④:改版されているか
ポイント⑤:著者は実績があるか
本記事は、僕が税理士として挙げた、例えば以下のような実績に基づいて考えたものです。
・ 連結納税や組織再編等の高度な税務分野
・ 移転価格やCFC税制など変化が激しい国際税務分野
・ 超大手金融機関での金融知識の習得
・ 超大手総合商社での全部門・業界に対する専門知識の習得
税理士やその他の法律関係の仕事をしている方はわかると思いますが、税理士はクライアントの業界の知識を知る必要があります。
多くの専門性の高い分野や業界に身を置いてきたので、ぜひ参考にしてみてください。
さらに、読むべき本が決まったら効率的に学びたいですよね?
以下の記事に『効果のある専門書の読み方のコツ』をまとめてみました。
合わせて確認し、選んだ専門書をぜひ効率的・効果的に仕事や勉強に生かしてくださいね。