税理士業界への就職や転職に興味がある人
「会計事務所や税理士法人には繁忙期があるって聞いたことがあるんだけど、転職するのにベストな時期ってあるのかな。合格しやすい時期があれば教えてほしい。あと、合格するためのコツも合わせて知りたい」
こういった悩みにお答えします。
✓本記事の内容
・ 税理士業界における転職の年間スケジュール
・ 転職活動を開始するおススメ時期
・ 時期を利用して転職を成功させるためのコツ
この記事を読めば、税理士業界での転職を成功させるためにおススメの時期とそのコツが分かります。
✓この記事の信頼性
この記事を書いている僕は、税理士としてBig 4税理士法人、5大総合商社、大手金融機関、国内外の会計税務コンサルティングファームで働いた経験があります。
さらに、それぞれの会社では転職者の採用担当者をしていました。(ちなみに現職でも)
採用する側からすれば、正直タイミングをうまく利用すれば、いつもより簡単に転職を成功させることができます。
ただし、これは企業の顧客を抱えているような一般的な会計事務所や税理士法人を想定しています。
例えば、相続税を専門にしている事務所のように、申告時期などが決まっていない場合には当てはまらないので、注意してくださいね。
というわけで、税理士業界への転職に興味がある人に向けて、転職を成功させるためには時期も重要であることを解説していきますね。
📓もくじ
税理士業界における転職の年間スケジュール
まずは、税理士業界における年間のスケジュール感について解説してきます。
一般的に多いのは8月と12月
まず、業界全体に共通して言えるのは、以下の2ヶ月がもっとも転職希望者の活動が活発になる時期です。
8月:最も多い。税理士試験が終わってからだから
12月:次に多い。税理士試験結果を踏まえて挑戦しようとする人が多いから
税理士業界の転職活動の動向は、税理士試験とその結果の発表時期が大きく影響します。
税理士試験に挑戦中の人は、受験が終わったタイミングか、または合否がでたタイミングで新たな分野・新たな会社に挑戦しようとするからです。
時期ごとの転職者の傾向
ここでは、特に転職が活発になる3つの期間について、それぞれの特徴と傾向を解説します。
それぞれの時期でどんな人が就職や転職に挑戦しているのか、特徴や傾向を知ることは転職成功のためには必ず必要だからです。
なぜなら、時期によっては強力なライバルが多い時期があるからです。ライバルが強すぎては、普段だったら入れるところも入れなくなってしまいます。
逆に、ライバルがあまりいないのに需要が高い時期を狙えば、それはよりチャンスになりますよね。
そのため、時期をしっかりと把握・分析することは転職成功には大切なことなんです。
9月入社向け(6~8月):税理士試験受験中の人向け
税理士業界で、一番転職者・求職者が多いのが9月です。
これは、一般企業でいうところの4月入社と考えてもいいと思います。
これは、8月上旬に税理士試験が終わるからです。
試験が終わったことで、気持ち新たに就職・転職を考える人が多くいます。
この時期の特徴は、以下のとおりです。
・ 初めて就職する人や、新しい分野に挑戦する人が多い
・ そのため、ポテンシャル採用なので新しい分野に挑戦しやすい
この時期はおもに、税理士受験者がターゲットです。
そのため、比較的年齢も若くなり、実務経験が少ない人も多くなります。
従って、会計事務所や税理士法人としては、この時期の就職者は基本的にポテンシャル採用を想定しています。
12月~1月入社向け(11~12月):即戦力者向け
次に多いのが、繁忙期が始まる12月~1月頃の入社です。
この時期に求職者が増える理由は、主に2つあります。
理由①:税理士試験の結果発表があるから
理由②:繁忙期に向けて求人が増えるから
こういった理由から、求人が一気に増える時期です。
この時期に求人が増える理由は人材補充が目的で、会計事務所や税理士法人としては即戦力となる人材を求めています。
そのため、待遇も良くなる傾向にあります。
5~6月:繁忙期の反省を踏まえて
最後に多いといえるのが、5~6月頃に内定が出るケースです。
ここで注意してもらいたいのは、5~6月に入社するのではなく、あくまで内定がでるタイミングです。
この時期は、繁忙期がひと段落し始めているため、会計事務所や税理士法人としては、来援を見越して新たな人材の確保に動き出す時期なのです。
転職活動を開始するおススメの時期
それでは、税理士業界で転職活動を開始するおススメの時期について解説していきます。
まず結論ですが、以下の2つの時期になります。
・ GW前:税理士試験受験中の人向け 【おススメ:】
・ 11~12月:即戦力となれる人向け 【おススメ:】
おススメ①: GW前(税理士試験受験中の人向け)
この時期はポテンシャル採用だから、ぶっちゃけ相当入社しやすいです。
ただし、税理士試験が終わった8月になってしまうと、みんなが一斉に就職、転職活動を開始してしまうから、そのタイミングで始めてしまうと多くのライバルと戦うことになります。
したがって、会計事務所や税理士法人がその時期に入社する人の採用活動を始めた最初あたり、具体的には求人数が一気に増え始める大体ゴールデンウィーク前あたりがおススメ。
おススメ②:11~12月(即戦力となれる人向け)
次に狙うべきなのは、11月から12月の時期です。これは、会計事務所税理士法人が必要に迫られているため、応募者の方が立場がかなり高いためです。
そのため、この時期に採用された人は、待遇が良い傾向にあります。
ただし、入社してすぐに繁忙期が訪れることから、入社直後にじっくりと研修や先輩の指導を受けている余裕はないでしょう。
したがって、この時期にこの時期の転職は、即戦力となれる経験者向けといえます。
その他の時期について
その他の時期については、税理士試験が終わった8月を除けば、正直そこまで違いは出てきません。
基本的には、どこの会計事務所や税理士法人も、人材が足りなくなったら採用活動を開始するといったところです
ですので、その他の時期については、あまりナーバスになりすぎる必要はありません。
自分が転職したいと思った時期に、転職活動を開始することが最も良いタイミングです。
転職を成功させるためのコツ
上記で最もおススメな転職時期がわかったので、ここでは実際に転職を成功させるための転職時期に関連するコツについて解説していきます。
✓転職のタイミングを図るコツ
コツ①:エージェントは使うべき
コツ②:事務所規模ごとの時期の違いは気にしなくてOK
コツ③:むしろ年中求人を出している事務所を狙うべき
それでは、それぞれ解説していきますね。
コツ①:エージェントは使うべき
採用担当をしている立場からすると、自ら直接HP経由で応募してくる人よりも、エージェントから紹介された人の方が採用しやすい傾向にあります。
なぜなら、その方が確実で手っ取り早いからです。
転職エージェントを介している場合、自分の会計事務所や税理士法人の希望を理解してくれているエージェントのハードルを越えた人が応募してくることになります。
その方が、誰の目も通らずに直接HPから応募してくる人よりも、安心感があります。
さらに、転職エージェントを解して、お互いに正直な意見のやり取りができるところも安心に繋がります。
従って、採用する側からすれば、転職エージェント経由で応募してきた人の方が、合格を出すのに安心感があるということです。
なお、税理士業界でおススメな転職エージェントについては、以下の記事にまとめていますいので、併せて確認してみてくださいね。
コツ②:事務所規模ごとの時期の違いは気にしなくてOK
Big4税理士法人や大手税理士法人、中小会計事務所などによって、需要が高まる時期に多少の違いはあります。
ですが、正直それほど気にしなくていいです。なぜなら、ほとんど時期は同じだからです。
多少違いがあるとしても、それが採用のされやすさに直接影響することはないと思ってOKです。
コツ③:むしろ年中求人を出している事務所を狙うべき
よく反対意見を見かけますが、年中求人を出している事務所を狙ってOKですよ。
むしろ、急に出された求人には注意。
なぜなら、求人を出した理由が単純に人が辞めたという可能性があるからです。
こうなった場合、特定の仕事で人が足りなくなったために出された求人なので、その事務所であなたが与えられる業務は、あなたのやりたいこととは違うかもしれません。
そうであれば、年中求人を出しているところの方がいいです。
税理士業界はいま、かなりの人材不足で、完全に売り手市場です。
経営成績がいい事務所であれば、どこの事務所もいい人材はほしいもの。だからこそ年間通じて門を開いている状態なのです。
それに、通年で募集しているということはそれなりに厳選している可能性もあるので、年中求人を出しているからといって、それだけで敬遠するのはもったいないですよ。
さいごに
今回の内容を、簡単にまとめていきますね。
・ GW前がおススメ
・ 次に11~12月がおススメ
・ 間違いなくエージェントは使った方がいい
とはいえ、まずは動き出すことから始めましょう。転職の始め方や手順については、以下の記事にまとめています。確認してみてくださいね。
また、僕がおススメする転職サイトは以下の記事にまとめていますので、こちらも確認してみてくださいね。
今回は以上です。ありがとうございました。