法人化を検討している個人事業主
『フリーランスや脱サラして頑張っている周りの人が、「法人化しようかな」とよく言っている。税金も特になるし、いいことばかりって聞くけど、、、実際どんなメリットがあるのかな?個人で事業をやっている人が法人化するメリットについて知りたいな。』
こんな悩みにお答えします。
✓この記事の想定読者
・個人で事業をやっている人
・起業に興味がある人
・ビジネスを拡大していきたいと考えてる人
こんにちは、税理士のまぐすです。
近年では副業ブームや脱サラブームもあり、個人で事業を行っている人も多くなりました。
そんな人が、いつか悩むであろう「法人化」。この記事では、法人化するメリットについて紹介します。
✓この記事の信頼性
この記事を書いている僕は、税理士として多くの起業家のサポートをしてきました。
国内外で事業を拡大し、法人化を目指す人たちに多くのアドバイスをしてきたので、その経験をもとに、法人化のメリットをまとめています。
もちろん、法人化するデメリットもあります。
それについては、こちらの記事にまとめているので、本記事を読み終えた人は必ずデメリットについても確認してみてくださいね。
それでは、メリットについて紹介していきます。
📓もくじ
個人事業主が法人化するメリット
個人事業主が法人化するメリットは、主に5つあります。
メリット①:節税になる
メリット②:信用力が上がる、資金調達しやすくなる
メリット③:人を雇いやすくなる
メリット④:倒産時の損失が限定できる
メリット⑤:事業承継(相続)しやすい
それぞれについて、以下で詳しく解説してきます。
メリット①:節税になる
個人ではなく法人にした場合、一言で言えば「税金がお得になる」。
法人化するかどうか悩む人の多くが、節税がきっかけだったりするのではないでしょうか。
例えば、法人化することで以下のような税制上のメリットがあります。
・給与所得控除が使える
・税率が下がる
・経費として使える金額が増える
・損失を繰り越せる
この点については、こちらの記事にまとめていますので、詳しくはこちらの記事を確認してくださいね。
メリット②:信用力が上がる、資金調達しやすくなる
事業を始めた時の資金調達の1つに、金融機関からの融資があります。
一般に、金融機関などからの融資交渉では、個人事業主は会社よりも条件がかなり厳しくなります。
(僕は、前職で大手金融機関の企画部において、融資実行時の基準の検討もしていたので、どこの銀行もほぼ同じだと思います。)
✓法人は多くの情報が登記される
会社を設立するということは、実際に会社が登記されることになります。
登記される情報とは、例えば以下のような情報です。
・会社の本店、支店の所在地
・商号
・資本金の額
・取締役の氏名
・代表取締役の氏名および住所
・発行済み株式の総数
こうした登記情報は、会社の所在地を管轄する法務局、地方法務局などで確認することができます。
確認する方法も簡単。例えば以下の方法で確認ができます。
・請求書を持参する方法
・請求書を登記所に郵送する方法
・オンラインにより交付請求をする方法
そのため、会社の情報は、仮にホームページなどがなくても調べる方法がいくらでもあるんです。
✓個人事業主は信用が低い
上記のように、法人の場合には様々な情報が登記されていて、だれでもその情報を調べることができます。
それを調べることで、銀行などの金融機関は「この人に、どれくらい貸して大丈夫かな?」というのがわからないので、法人に比べて融資条件が厳しく設定されています。
一方で、個人だとそれほど登記される情報はありません。
そのため、一般的に個人事業主よりも信用を得られます。
✓売上にも繋がるかも
法人化して信用が増すことで、銀行からの借り入れがしやすくなるだけでなく、売上にも繋がるかもしれません。
今まで、個人だったので取引ができなかった企業との取引ができるようになるかも。
取引先の会社がこちらの会社について知ることができるので、今まで取引を断られていた企業との取引も、信用が増したことで新たに始められるかもしれませんよ。
メリット③:人を雇いやすくなる
個人事業主としてビジネスすることの難しさの1つが、「優秀な人材が集まりにくい」ということがあります。
これは、色んな理由が考えられますが、代表的な理由として以下が考えられます。
・信用力が低い
・社会保険がない
法人化して会社となれば、信用度も増しますし、社会保険にも加入しなければなりません。
そのため、働く側からすれば、より環境が整うことになります。
そうすることで、今まで採用できなかった優秀な人材も、これからは採用できるようになるかもしれません。
メリット④:倒産時の損失が限定できる
個人の場合と比べて、法人化すれば、万が一倒産したとしても損失は自分の資本金にまで抑えることができます。
✓個人の場合はすべてを返済しなければいけない
個人だとしても、事業をするとしたら様々な“借入”が発生します。
例えば、以下のようなものがあります。
・借入
・仕入先への買掛金
・費用の未払い
個人事業主の場合、これらはすべて事業主が返済しなければなりません。
✓法人は、出資の範囲まででOK
これに対して法人は、最悪の場合でも出資の範囲内での責任にとどまります。
そのため、仮に会社が破産した場合でも、形式的は個人に返済義務はありません。
但し、中小企業の場合には、多額の仕入代金や、金融機関の借入に対しては、社長個人が連帯保証人になるケースもあります。
このような場合には、個人としての返済義務は個人事業主でも同じなので注意してくださいね。
メリット⑤:事業承継(相続)しやすい
個人から法人化する理由の1つに、「事業承継」があります。
個人事業主では、その人が死亡すると「個人名義の預金口座が一時的に凍結されて支払いができない」ということも起こります。
ですが、法人であれば社長が死んだとしても、口座が凍結されたり、会社の資産が相続の対象となることはありません。
従って、その後で子供や孫がその事業を引き継ぐことができます。
法人化するには準備が必要
ここまで、法人化するメリットについて紹介してきました。
でも、当然ですが法人化するにあたってはいくつかの準備が必要です。
まずは会計帳簿を準備しよう
法人化するかどうかを決めるためには、まずは以下のようなことを考えなければなりません。
・自分の事業は儲かっているのか?
・事業を拡大していけそうなのか?
・法人化して節税できそうなのか?
つまり、まずは自分の財務や損益の状況を知らなければなりません。
そのために、まずはしっかりと会計帳簿を作るところから始めましょう。
それが分からなければ、法人化するメリットすら調べることはできませんからね。
会計帳簿は難しくない
そう思っている人も多いかもしれません。
ですが、現代ではかなり簡単になりました。
なぜなら、クラウド会計ソフトがあるから。
クラウド会計ソフトがあれば、銀行口座やクレジットノードと連携し、自動的に会計帳簿を作ってくれることだってできるんです。
クラウド会計ソフトについては、こちらの記事で詳しく解説していますので、「知らなかった、、、」「どんなメリット・デメリットがあるのかな?」という人は、必ずご覧ください。
また、「クライド会計ソフトは知っているけど、使ったことないな」という人に向けて、税理士である僕がおすすめする3つのクラウド会計ソフトを、こちらの記事にまとめてみました。
キャンペーンで無料期間などもあるので、まずは1年間くらい使ってみるのもありだと思います。
分からなければ、税理士を活用しよう
クラウド会計ソフトをはじめ、色々と便利にはなったものの、税法や会計基準は未だに難しいですよね。
「何とか自分でやってみるよ!」という人もいますが、個人的にはおすすめしません。
なぜなら、結局はお金も時間も失ってしまうから
僕のクライアントでも、初めは自分でやっていたけど、事業が拡大してきて「もう自分じゃできません、、、」といって顧問を依頼される方もとても多いです。
事業が拡大してきたのに、自分でやろうとしてしまうデメリットとしては、以下のようなことがあります。
・勉強にかなり時間が取られる
・結局よく分からず、帳簿や申告書の精度が低い
・税務調査で指摘され、追徴課税されちゃう
個人事業主や社長の仕事は、帳簿や申告書を作ることではありませんよね。
ビジネスに集中してもらうためにも、安くてもいいので自分にあった税理士にお願いした方がいいと思います。
毎月の数万円の出費を払ってできた時間、ビジネスに集中して何千万も売上を上げた方がよっぽどいいですよね。
節税に「遅すぎる」も「早すぎる」もない
『そんなこといっても、もう申告期限が近いし無駄だよ、、、』
『確定申告はまだまだ先だから大丈夫っしょ!』
という人がいます。
ですが断言できます。
節税に「遅すぎる」も「早すぎる」もありません。
なぜなら、税金は1年間という期間の結果なのです。
もちろん、早めに対処することをおススメしますが、もし申告期限が迫っていても、諦めずに積極的に税理士を活用しましょう。
現在は、以下のようなサイトで自分にあった税理士を探すことができます。
登録は無料なので、ぜひ探してみてください。きっとあなたに合った税理士が見つかりますよ。
・税理士ドットコム
・税理士紹介ネットワーク
※リンクをクリックすれば、公式ホームページへとびます。
今回は以上です。