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【税理士業界の転職・就職】専門性が欲しい人向けの会計事務所の選び方【受験生にも】

 

こんにちは、税理士のまぐすです。

先日、以下のようなお問い合わせを頂きました。

はじめまして。いつもためになる投稿をありがとうございます。

税理士試験合格しており、転職活動中の者です。

私もまぐすさんのように、自分の得意分野を身につけ、将来的には自由な働き方が出来るようになりたいと考えています。

そのため、国際税務やM&Aの分野の仕事をしたいと考えていますが、その場合、やはりBIG4のような大手がよいのでしょうか。

自分に向いているか、また、未経験でもやっていけるのか不安です。(税理士法人でコンプラ業務(※)の経験は3年ほどあります。)

アドバイスいただけますと幸いです。

お忙しいところ恐縮ですが、どうぞよろしくお願い致します。

 

※コンプラ業務:申告業務のこと

 

この記事では、上記の問い合わせに答えつつ、「税理士業界で強み・得意分野が欲しいな」という人に向けて、おすすめの会計事務所の選び方を紹介します。

✓この記事の想定読者

・どんな会計事務所に就職・転職すればいいか悩んでいる人

・税理士業界で、誰にも負けない得意分野・専門性がほしい人

・税理士業界での強みを武器に、キャリアアップしていきたい人

 

なお、この記事を書いている僕自身は「税理士業界でも負けない専門性」を意識した就職・転職を重ねてきました。

4大税理士法人から、5大総合商社・大手金融Global Tax Managerを経て、現在は海外で新規事業立ち上げに参画し、毎日プールの海外生活をしています。

この記事の信頼性:

この記事を書いている僕は、4大税理士事務所で働いていました。

そこでは、申告業務などだけでなく、M&Aや組織再編、連結納税や国際税務も身につけました。

その後は、4大税理士法人から5大総合商社・大手金融とキャリアアップし、現在ではまったり海外生活をしています。

また、5大総合商社や大手金融では、多くの税理士法人・会計事務所を利用する立場にもいたため、企業側の事情も把握しています。

 

税理士業界といっても、その分野は幅広いですよね。

色んな税金があるし、1つの税法の中でも様々な取引に関する法律があります。

どんな分野を得意分野とするか、どんな専門性を身につけるかで、その後の将来のキャリアはいくらでも広がります。

 

この記事を読めば、どんな税理士法人・会計事務所を選べば「将来のなりたい自分」に近づけるかが分かると思います。

ぜひこの記事を読んで、未来への一歩を踏み出してみてくださいね。

 

では、紹介していきます。

 

専門性が欲しい人向けの会計事務所の選び方

 

 

早速、結論です。

専門性が欲しい人向けの会計事務所の選び方は、2通りあります。

専門性が欲しい人の事務所の選び方:

パターン①:誰にも負けない得意分野を身につけたい人 → Big4 / 特化型事務所

パターン②:特定分野を軸に周辺の分野の経験も身に付けたい → 国内大手

 

『専門性』にも2種類ある

 

まず、「専門性」と言っても実は2種類あります。

2種類の専門性:

・1つの分野・領域に特化するケース

・1つの分野・領域を軸として、その周辺領域も経験するケース

 

少し分かりにくいかもしれないので、医者に例えてみます。

医者の場合、上記は以下の通りとなります。

・1つの分野・領域に特化するケース → 脳外科医

・1つの分野・領域を軸として周辺領域も経験するケース → 外科医

 

「外科医」といったら、医療業界の中でも専門性の高い分野の1つですよね。

でも、その中でも「脳」の手術に特化したお医者さんが「脳外科医」ですよね。

 

税務業界も同じです。

税理士(医者)の中でも、法人税(外科)を専門とする税理士のうち国際税務(脳外科医)に特化した税理士がいる、というわけです。

※この記事を読んでくださっている良識のある方々は分かってくれると思いますが、上記の例は、脳外科医や国際税務が分かる税理士が、他の人よりも優れているということを言っているのではないので、齟齬のないようにお願いしますね!

 

どちらの専門性を身につけたいかによって、選ぶべき税理士法人・会計事務所が異なってきます。

 

違いの理由は『クライアントの違い』

 

では、どうして上記のような違いがあるかというと、「クライアントの違い」です。

 

色んな税理士がいるのは、それだけ税理士を求めるクライアント・顧客も様々ということ。

例えば、以下のような様々な顧客がいます。

・確定申告で困っている個人事業主

・資金繰りをサポートしてほしい零細企業

・節税したい中小企業

・海外進出を狙っている上場企業

・買収を検討している大手企業 など

 

こうした違いによって、特に、以下の点で違いが生じます。

クライアントの違いによって生まれる事務所ごとの違い:

・案件数

・案件の複雑さ

・求められるレベルの高さ

 

上記に合わせて医者を例にすると、風邪をすぐに治せるお医者さんを求める人は多い一方で、日本で数名しかできない高度な脳手術を求めている人だっています。

 

そうした違いが税理士法人・会計事務所にもあります。

以下では、2通りの選び方にそって、具体的にどの事務所がおすすめかを紹介します。

 

パターン①:誰にも負けない得意分野を身につけたい人 Big4または特化型事務所

 

 

「誰にも負けない専門性を身につけたい」という場合は、やはり4大税理士法人やその分野専門の特化型事務所(以下、「Big4等」)がおすすめ。

 

法人税関連の分野なら「4大税理士法人」

 

法人税関連の分野であれば、やはり4大税理士法人がおすすめ。

 

案件数が圧倒的に違う

 

Big4がターゲットとしているクライアントは、大手の上場企業やその子会社、外資系企業。

国際税務やM&A取引は、上場企業でも特に大手が日常的に多いけど、大手はほぼ間違いなくBig4を利用しています。

そのため、国際税務やM&A、組織再編など法人税の中でも専門性が高い分野については、4大税理士法人がおすすめ。

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案件の複雑さも違う

 

大手の上場企業やその子会社、外資系企業が主なクライアントの場合、取引自体もより複雑になってきます。

 

例えばM&Aでも、大手企業の方がグループ会社が多いため、買収後の組織再編ストラクチャーの検討も高度・複雑になります。

 

さらに、国際税務の場合には、大手の上場企業や外資系企業になると、様々な国との取引が対象になります。

4大税理士法人の場合、ほとんど全ての国にメンバーファームがあることから、取り扱えるクロスボーダー取引が圧倒的に多くなります。

 

一方で、海外拠点の少ない国内大手の場合、拠点のない国の案件は現地の別のファームにまるっと委託することになり、紹介のみで仕事は完結してしまうケースがほとんどです。

 

そういった経験値・専門性の深さの違いから、国内大手で国際税務やM&Aを担当している人・取り纏めている人にはBig4出身者が多いのが実情です。

 

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求められるレベルの高さが違ってくる

 

大手の上場企業などをクライアントとする場合、求められるレベルの高さも変わってきます。

 

例えば、2019年8月にソフトバンクが「脱税」とも報道されたこちらのスキーム、一瞬で理解できるかチャレンジしてみてください。

16年にソフトバンクグループは、イギリスの半導体設計大手のアーム・ホールディングスを約3兆3000億円で買収しました。

このアーム社の株の一部を18年3月期に、ソフトバンクグループはグループ内のソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)に現物出資のかたちで譲渡しました。

アーム株が所得価格よりも時価評価額が低くなったということで、税務上は1兆4000億円に上る欠損金が発生したとされたわけです。

ひらたく言えば、プレミアムで高めに買って、それをグループ内に移管した時に安くなったということで、欠損金が生じたということにしているわけです。

出展:Business Journal 2019.08.03「ソフトバンク、利益1兆円でも「法人税ゼロ円」発覚…孫正義氏の年間配当100億円

 

「一瞬で、どの規定のどの項目に当てはめたスキームか分かったよ!」という人、決して多くはないんじゃないかと思います。

 

イメージしやすいと思いますが、上場企業の場合、脱税を疑われるだけでもかなりのリスクがあります。

決して脱税じゃなかったとしても、株主や記者会見などで、きちんと説明ができないだけで株価に大きく影響してしまいます。

 

「個人のクライアントだったらテキトーでいい」なんてことは決してありません。

ですが、新聞報道されてしまうような大手の上場企業の場合、税理士に求められるレベルやそのプレッシャーは、正直かなり高いです。

 

移転価格
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法人税以外の分野なら「特化型事務所」

 

法人税以外の分野で「誰にも負けない専門性を身につけたい」という人なら、「特化型事務所」がおすすめ。

 

法人税以外の分野、例えば個人のタックスプランニングや相続税等なら、Big4よりも特化型事務所がおすすめです。

 

特化型事務所は、比較的規模が小さく、ターゲットとしているクライアントも、中小企業や個人が中心です。

ですが、「特化型」であることから、他の事務所に比べて求められるレベルの高さや案件数は高度になります。

 

有名な大学の総合病院ではないけど、その分野で有名な先生が経営しているクリニックのようなイメージですね。

 

おすすめ理由は、上記「法人税の場合」と重なっていまうので、詳しくは上記を見てみてくださいね。

 

大手税理士法人は「特化型」ではない

 

確かに、多くの大手税理士法人で「相続税」や「富裕層向けタックスプランニング」などのサービスを行っているところもあります。

ですが、その分野を「誰にも負けない得意分野」にしたい人は、より特化型の事務所がおすすめです。

 

大手税理士法人が「相続税」や「富裕層向けタックスプランニング」などを行っている場合、「その分野がメインの収益源」というよりも、「顧客を囲い込むため」に幅広くサービス展開していることが多いです。

 

そのため、特化型の事務所に比べると、その分野に対する実績や専門性の“深さ”に違いが出てきます。

「お、大手でもこのサービスやってるんだ!」と飛びつくのではなく、しっかりと特化型事務所を調べて、どちらの方が専門性が身に付きそうかを、慎重に判断してみてくださいね。

 

僕がおすすめする税務業界に強い転職エージェント:

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転職なら【doda】|大手総合転職サイトで税理士業界の転職に一番力を入れているのがdoda。全国多くの事務所の求人あり。

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パターン②:特定分野を軸に周辺の分野の経験も身に付けたい 国内大手

英語 転職 税理士法人

 

 

「得意分野は身につけたいけど、それだけじゃなくて関連する分野もやってみたいな!」

 

そんな感じで、主軸とする専門分野のみならず、周辺分野の経験もしたいなら、国内大手の方がおすすめです。

というのも、Big4や特定分野を専門にやっている事務所だと、厭くまでその分野をメインに扱うことになるからです。

 

幅広いサービス展開だからこそ周辺分野も身に付く

 

国内大手が規模を拡大してきた背景の1つに、取り扱っている領域を広げてきたことがあります。

ホームページを見ればわかると思いますが、国内大手は、税理士法人のほかにコンサルティング会社を設立し、会計税務領域のみならず、それに関連した分野にも幅広く対応しています。

 

例えば、企業を相手にする場合でも、組織再編やM&Aに関連する税務だけでなく、PMIやIPOといった、会計税務に発生した他のサービスも行っています。

Big4の場合、そういった分野は税理士法人ではなくコンサルティングファーム(○○コンサルティング、FASなど)が担当しています。

 

クライアントのニーズに幅広く一気通貫で対応できること、それが国内大手の強みの1つ。

人数も経験値も、4大税理士法人や特化型事務所に勝つのは難しいかもしれません。

その代わりに、「特定の分野でNo.1になるんだ!」と言うよりも、クライアントのニーズに幅広く対応するために設けられているイメージです。

 

法人も個人も経験できる

 

さらに、国内大手は、法人だけでなく個人のクライアントにも力を入れています。

銀行や保険会社と連携したり、国内でセミナーを行うなどして、中小企業や個人のクライアントも積極的に取り扱っています。

 

「中小企業の社長さんの相続税やタックスプランニングもやってみたい!」「法人税務だけじゃなくて、医療法人の申告もしてみたい!」といった人は、国内大手の方がおすすめです。

 

さらには、もし今の時点で具体的に「強みとしたい分野」が決まっていないのであれば、一旦は国内大手で興味のある分野を探してみるのもあり。

国内大手の税理士法人であれば、部署異動は一般企業に比べたら自分の希望を聞いてくれるケースが多くあります。

 

一旦は国内大手で、将来を考えつつ働いてみるのもありですよ。

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【参考】残念ながら専門性では特化型事務所には勝てない

 

国内大手も、海外にも拠点を出したり、人数を増やしたりして、拡大傾向にあります。

でも、専門性では、やはり4大税理士法人や特化型事務所には勝てません。

 

もちろん、国内大手の事務所も専門性が、高い分野、例えば国際税務や相続税といった分野に特化した部署もあります。

ですが、そこでメインで働いている人の多くが、4大税理士法人や特化型事務所出身者といったケースが多くあります。

 

というのも、国内大手は「専門性の高い分野」で、4大税理士法人や特化型事務所に勝とうとしているわけではないからです。(僕の知る限りですが、、、)

厭くまで、クライアントのニーズに幅広く対応したり、「4大税理士法人では費用が高すぎるよ、、、」というクライアントを取り込むことを目的にしています。

 

だからこそチャンスもある

 

だからこそ、「自分の武器にしたい分野」がまだ決まっていない人・まだ他にも色々やってみたいことがあるという人には、国内大手はおすすめ。

丁寧に教えてもらえる環境でもあるし、もし「やっぱり自分には合ってないな」と思ったら、転職しなくても他の部署に異動すればOK。

 

特に、税理士業界にこれからチャレンジしてみる人や、働いてみたけどこれから何か強みが欲しいという人は、働きながら考えるというのもアリだと思いますよ。

 

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まとめ

転職 キャリア

 

 

さいごに、この記事のおさらいです。

専門性が欲しい人向けの会計事務所の選び方は、2通りあります。

パターン①:誰にも負けない得意分野を身につけたい人 → Big4または特化型事務所

パターン②:特定分野を軸に周辺の分野の経験も身に付けたい → 国内大手

 

とはいえ、自分にあった税理士法人・会計事務所を選ぶ基準は、他にもあると思います。

例えば、ワークライフバランスや年収などです。

 

こちらの記事で、その他の目線での選び方について詳しく紹介しているので、気になる人はぜひチェックしてみてくださいね。

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また、「どのBig4がいいかな」という場合には、こちらのnoteに纏めているので、興味があれば覗いてみてくださいね!

▼4大税理士法人に関するnote

4大税理士法人と呼ばれる4つの税理士法人の違いや特徴を、本音や裏話を踏まえて正直にまとめてみました。

4大税理士法人への就職を検討している人は、ぜひご覧くださいね。

【実体験】4大税理士法人それぞれの特徴や違いを正直に紹介【元Big4税理士が紹介】

 

この記事を読んで、自分にあった事務所で働き、これからも活躍できる人材になってもらえたら嬉しいです。

今回は以上です。ありがとうございました。

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