税理士業界に挑戦しようとしている未経験者
『初めて税理士業界に就職・転職しようと思っているんだけど、未経験者の自分はどういった事務所に就職するのがいいのかな。大手は激務とも聞くし、中小の会計事務所は所長とうまくやっていけるか分からないし、、、どちらに就職すべきか教えて欲しい。あと、どうやって決めるべきか基準があったら知りたいな。』
こんな疑問にお答えします。
✓この記事の想定読者
・これから税理士業界に挑戦する人
・大手と中小事務所どちらに就職・転職するか悩んでいる人
・就職・転職先をどうやって決めればいいか分からない人
こんにちは、元4大税理士法人で採用担当もしていた、税理士のまぐすです。
この記事では、上記のような税理士業界未経験者が就職・転職先を決める際に悩む「大手と中小の会計事務所、どちらがいいか?」をテーマに、解説していきます。
✓この記事の信頼性
この記事を書いている僕は、元4大税理士法人で採用担当をしていました。
また、自分自身も就職するときに、大手税理士法人と中小会計事務所で悩みに悩んで、色んな先輩に話を聞きに行き、結果として4大税理士法人を選びました。
その後、5大総合商社・大手金融を経て、現在では海外でのんびり生活しています。当時の判断は間違っていなかったと思っています。
正直、初めにどこの事務所に入るかで、その後のキャリアのほとんどが決まると思います。
そのため、慎重に考えてほしいと思っています。
この記事が、あなたのこれからのキャリアに少しでも役立てばと思っていますので、ぜひ最後までご覧くださいね。
📓もくじ
未経験者は大手と中小事務所どちらにすべき?
早速、未経験者が大手と中小事務所どちらに就職・転職すべきかについて解説していきます。
結論、「やりたいことが出来る事務所を選ぶべき」
早速結論ですが、「やりたいことが出来る事務所を選ぶべき」です。
結局のところ、税理士業界はどこの会計事務所も、一般的には「中小・零細企業」です。
最大手である4大税理士法人だって、所詮は600人くらいの組織。超大企業と言われるところに比べれば、どこの事務所であっても多くを望んではいけません。
例えば、以下のようなことは、どの事務所を選んでも大して差はありません。
・福利厚生がしっかりしている事務所がいいな
・家賃補助が出るところはないかな
・優しい先輩たちがいるところがいいな
・忙しくないところがいいな
そのため、「どこの事務所でも違いがないこと」で悩んでも仕方がありません。
税理士業界は専門職。自分がやりたいことがやれる環境こそが、将来のキャリアに繋がるただ1つの選択肢です。
【実体験】資格学校の先生の言葉に従わなくてよかった話
資格の予備校の先生や勉強仲間、親とかからは好き勝手言われると思います。事実、僕もそうでした。
例えば僕の場合、以下のように言われていました。
・え、大手なんて行ったって辛いだけじゃん
・大手では幅広い知識は身に付かないから、意味ないよ
・個人事務所なら、のんびり働けて楽だよ
僕が大手税理士法人を選ぼうとしたとき、周りからは散々叩かれました。
しまいには、当時の仲が良かった担当講師からも、僕が希望している理由も聞かずに「やめといた方がいいよ」と言われました。
もちろん、その人たちは僕のことを思って言ってくれてたんだと思います。(そう信じてます)
でも、当時4大税理士法人を選ばなければ、その後の5大総合商社や大手金融、現在の海外のんびり生活すら味わえなかった。
「なりたい自分」「やりたいこと」なんて人それぞれ。
ならば、自分の話を理解して、偏見や先入観なしに話をしてくれる人以外の助言は、気にしなくてOKです。
【悲報】教育制度や環境に期待してはいけない
残念ながら、税理士業界では、どの税理士法人・どの会計事務所であっても、一般企業のような教育制度や環境、福利厚生を期待しない方がいいです。
結局どの事務所も中小・零細企業
結局のところ、大手税理士法人を含めて、どの税理士法人も会計事務所も、中小企業または零細企業だと思った方がいいです。
というのも、例えば業界最大手である4大税理士法人でも、従業員数は600名程度。
一般企業でいえば、中小企業くらいの大きさです。
社内規定や教育制度、環境は、中小企業や零細企業、ベンチャー企業と同じくらいのものです。
「大手に行けば、きっといい福利厚生や教育訓練制度があるんだ!」
それも税理士業界に限って言えば、間違いではないと思います。
でも、一般企業でいうところの大手上場企業をイメージしてしまうと、かなりギャップがあります。
「人間関係」は知ってる人に聞かなきゃ分からない
企業選びで「人間関係」は大切な項目の1つですよね。
でも、これも税理士業界ならどの会計事務所も、一般企業の中小企業やベンチャー企業をイメージした方がいいです。
大手上場企業のような、マネジメントスキルに関する十分な研修や、部下の指導に関するマニュアルなどは、基本的には整備されていません。
結局は部署・チーム・上司や先輩次第ということになります。
そのため、「大手なら・この会計事務所なら、きっと人間関係もいいはず」と思っていては、想像と違うこともあると思います。
社内で規則化されていないのであれば、厭くまでその会計事務所をちゃんと知っている人に聞くのが一番です。
まずは「やりたいこと」を探そう
では、自分にあった会計事務所を探す方法、つまり「やりたいことが出来る事務所を選ぶ」具体的な方法について紹介します。
「将来どうなりたいか」から逆算しよう
まずは、自分がどうなりたいかを考えましょう。
税理士業界とは言え、色んな分野があります。例えば以下のような分野です。
・世界を股にかける国際税務に強い税理士
・上場企業の顧問となるくらい租税争訟に強い税理士
・富裕層の資産形成に強い税理士
・高齢化が進む地域で相続に強い税理士
医療業界だってそうですよね、外科・内科・眼科・歯科など、一言で「医療業界」といっても、多くの分野に区分されます。
いくら精神科で修行を積んだって、一流の外科医になるには遠回りかもしれませんよね。
そのため、まずは将来自分がどうなりたいかを考えるべきです。
ただし、この時に1つ注意点があります。
「でも、こんな自分になれるのかな?」と思うことは禁止です。
まずは「自分がどうなりたいか」だけを考えればOKです。
試験科目は気にしなくてOK
就職や転職を希望している人から、「自分は税理士試験で所得税を選択したから、大手税理士法人は入れないですよね、、、」といった相談を受けることがあります。
就職や転職で、自分の試験科目は一旦気にしなくてOKです。
事実、4大税理士法人にも、所得税しか持っていないけど、入社後ガッツリ大手企業の法人税申告をやっている人はゴロゴロいます。
もちろん、仕事で使う科目の受験経験はアドバンテージになります。
でも、採用する側からすれば「実務でどれだけ勉強できるか」の方が重要です。
「こんな税理士になりたいんだ!」ということがイメージできれば、試験科目は一旦無視してOKです。
先入観を捨てて、とにかくリサーチしてみよう
「でも、自分にあった会計事務所なんてないかもしれないし、、、今の事務所で十分だよ」
そういって現状を正当化する理由を探す人がいます。所謂「ホメオスタシス(恒常性維持機能)」ともいわれる無意識的な心の働きですね。
「やらない理由の達人」が多い理由も、こうした人間の本質的な行動・働きとも言われています。
ですが、断言します。
少しでも就職・転職を意識するようになったら、まずは自分が希望する会計事務所があるかを調べるべき。
自分が希望する会計事務所があるかどうかも分からないのに、「どういった事務所がいいかな」「自分が希望する税理士法人なんてあるのかな」と悩んでいても仕方がありません。
まずは動き出すべき
自分にあった会計事務所を調べることで失うデメリットは、「リサーチする時間と手間」くらいです。
YoutubeやNetflixを観ている時間の15分を、転職サイトでリサーチする時間に変えてみましょう。
それだけで、自分がいま抱えている悩みや漠然とした不安が、一歩でも解決に向かって動き出すことは間違いないですよ。
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今回は以上です。
少し強い言い方にはなってしまいましたが、この記事を読むことで、就職・転職先を決める際の悩み「大手と中小の会計事務所、どちらがいいか?」が少しでも解決・解消されれば嬉しいです。
ありがとうございました。
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