税理士試験に頑張っている人・これから挑戦する人
『税理士試験、合格するまで平均10年かかるとかって話を聞くけど、合格できるか不安だな。大学院に通って免除を受ける方法もあるけど、将来のことを考えるとどちらの方がいいのかな?』
こんな疑問にお答えします。
✓この記事で解決できる悩み・不安
・5科目合格と大学院免除、どっちがいいのかな、、、
・大学院免除だと、就職で不利になっちゃうのかな、、、
・大学院免除よりも、5科目合格の方が偉いのかな、、、
こんにちは、元Big4税理士のまぐすです。
税理士になるためには、「税理士試験で5科目合格」と「税理士試験3科目合格+大学院卒論で2科目免除」の2つの方法がありますが、どっちがいいかって受験生の中でも意見は分かれますよね。
結論、絶対的な答えはありません。というのもの、ホントに5科目合格できるか分からないし、大学院はお金がかかる、、、人によって環境も状況も全然違いますからね。
そこで、この記事では「試験合格vs大学院免除」論争に対して以下の目線でお答えします。
①:就職・転職の有利/不利
②:合格後のキャリア
受験生の中では「院免は負け組」「5科目合格の方が就職に有利」など、色んな噂があると思います。実際、僕が受験生のときもそうだし、今でも多くの人から相談を受けます。
この記事を読めば、今後のキャリアにあった選択ができると思いますよ。
✓この記事の信頼性
この記事を書いている僕は、元4大税理士法人で働いていました。
その後、5大総合商社・大手金融を経て、現在では海外でのんびり生活しています。税理士資格や、実務経験を武器にキャリアアップしてきました。
また、各社では採用担当もしていたので、多くの税理士法人・会計事務所の採用基準などの事情も把握しています。
それでは、紹介していきます。
📓もくじ
【税理士試験】試験合格vs大学院免除どちらを選ぶべきか
まずは、結論です。
結論、就職に影響なし。
「早く合格する方」を選んで、早く実務経験を積もう。
就職に有利 / 不利はない
受験合格と大学院免除、「就職に有利・不利ってないのかな」と気になる人も少なくないと思います。
税理士法人や、事業会社での採用担当の経験からお答えします。
5科目合格だろうが大学院免除だろうが、就職には影響しません。
ただし、合格科目は影響あり
「じゃあ何の科目でもいいや」と言うと、そういう訳ではありません。
「合格科目」は大事です。
当然ですよね。
その会計事務所や企業で求められているスキルに合った科目に合格している方が、採用されやすいです。
例えば、「簿記・財務諸表・酒税」に合格し、税法科目を院免だとします。
ライバルは、それに加えて法人税や所得税にも合格していたとします。
法人税の知識が欲しい一般企業や、個人の申告をメインにしている会計事務所なら、科目合格している方が即戦力になるので、魅力的に見えるのは当然ですよね。
大事なのは資格よりも経験
受験生時代、「院免は負け組」「5科目合格の方が就職に有利」という“院免ネガティブ意見”が多くありました。
これは、受験生たちがやる気を出すために自分に言い聞かせていたことかもしれません。
それとも資格の学校側がたくさん受講してもらうために言っていたのかもしれません。
就職してしばらくしたら、『誰が何の科目に受かったか』なんて誰も覚えてませんよ。
さらに、転職に限って言えば、前職での経験やポジションの方が、「何の科目に受かったか」よりもよっぽど重要な判断基準です。
実際、院免でも大活躍している有名な税理士は多くいるし、著名な学者の中には近くのない人だってたくさんいます。
こちらの記事で詳しく紹介しているので、気になる人はぜひチェックしてみてくださいね。
学歴があるなら間違いなく大学院でOK
「5科目に合格した」という実績は、何にも意味がないわけじゃありません。
目標を設定し、努力し、結果を残せる人材ということの証明にもなります。
ですが、それはいい大学に入っている人は不要です。
なぜなら、より競争の激しい大学受験という戦場で、既に勝ち抜いてきたという実績があるから。
税理士試験は、知識や勉強量だけでなく、ときには運も必要。
5科目合格するのが不安な高学歴の人は、大学院に通って早めに実務につくのがおすすめ。
大学院なら、会計事務所で実務経験をつけつつ、何とか通えれば、2年で2科目免除される保証がありますからね。
通学を応援してくれる会計事務所・税理士法人はたくさんありますよ。
試験合格に向いている人
「でも、大学院はお金もかかるし、何とか合格できる気もするんだよな。」
こんな人もいるかもしれません。
そこで、ここでは「どんな人が試験合格に向いているか」、その特徴を紹介します。
学歴に不安がある人
「自分の学歴に自信はないけど、大手の税理士法人で働きたいな」
こんな人には、早めに合格できそうなら、5科目合格がオススメ。
なぜなら、合格スピードは学歴よりも評価されるから。
実は税理士業界では、学歴よりも試験の合格スピードを重視している事務所がたくさんあります
特に、大手の税理士法人では合格スピードはかなり大事です。
というのも、合格までのスピードが早い人は、以下のように評価されるからです。
・税理士に向いている
・暗記が得意
・理解力がある
「試験の合格までのスピード」が採用に有利なことは、こちらの記事で詳しく紹介しているので、ぜひ併せてチェックしてみてくださいね。
就職したらのんびり働きたい人
せっかくの難関国家試験。
合格したらのんびり働きたいという人も少なくないと思います。
もちろん、そういった目標もOKです。
それなら、社会人になってから初めての税法を勉強するよりも、受験期に勉強してしまった方が手っ取り早いです。
やっぱり、仕事で必要になってから勉強するとなると、勉強時間を確保するのも難しいし、家に帰ってから勉強するのも辛いし、何より集中度合いが違います。
1つの税法を網羅的に勉強するというより、そのとき必要な知識の勉強のみになりがち、、、
全体通して細かく勉強するなら、やっぱり受験で勉強しちゃった方が知識が広く・深いです。
オールラウンドプレーヤーを目指す人
大学院ではどのような勉強をするかと言うと、以下のイメージ。
研究したい科目を深掘りしつつ、税金そのものの基礎を幅広く勉強します。
税法の根本的な考え方や歴史的背景、制度そのものについての知識が身に付きます。
ですが、いろんな税法の知識が身に付くわけではありません。
一方で、5科目合格、つまり税法3科目合格するということは、税法1科目合格する人よりも2つも多くの税法を、じっくりしっかり勉強できます。
そのため、「初めから幅広い税法知識が欲しいな」という人は、2科目ですが試験に合格した方が、手っ取り早く税務知識が身に付きますよ。
とはいえ、「税金の基礎知識」もいつかは勉強すべき
「5科目受かったから、大学院でやるような『租税法とは?』みたいな勉強はしなくていい」か、と言うと、そんな事はありません。
「税金に詳しい人」ではなく「税金の専門家」になるためには、税金を学問・学術的に学んでいくのは必須です。
なぜなら、税務調査の際に武器になるから。
税金の仕組みや考え方、あり方などを知っておくと、税務調査に強くなれます。
例えば、クライアントから「なんか、調査官によくわからないこと言われて…困ったなぁ」なんて相談、1度は受けることがあると思います。
(無いことを信じてますが)税務調査官が、法律に載っていないような無茶苦茶なことを言ってきたとします。
税の専門家として、それを否定する根拠はなんでしょうか。
いろんな戦略はありますが、武器となる1つが「租税法律主義」です。
租税法律主義とは、簡単に言えば「法律に記載されていなければ、税務調査でも否認はできませんよ」と言うこと。
そういった、「税金とは? 」ということが、実務では大事。
税理士業界の仕事は、申告書に数字を落とし込むだけでなく、税務調査やクライアントに説明する際など、「説明力」「説得力」が必要。
根拠のある説明ができるようになりますよ。
院免に向いている人
一方で、どういった人が大学院免除に向いているかについても、紹介しますね。
専門性で戦っていきたい人
特定の分野や領域、それを極めていきたい人は大学院がおすすめ。
上記で説明した通り、特定の分野を極めていくためには「そもそもの税金の成り立ちや仕組み、考え方」から学ぶ必要があります。
もちろん、業務の中でそういった知識が必要になるケースはあります。
ですが、日々の仕事に追われて、税金の概念である基本的な考え方などをみっちり勉強しよう、と言う時間が取れないと言う人も多いんじゃないかと思います。
そんな人は、働きながら大学院に通いつつ、スキルと資格の両方をとってしまうのがおすすめ。
大学院に通うこと、早く試験に合格することを応援してくれる事務所は、たくさんありますよ。
税理士業界に強い転職エージェントに登録すれば、きっとそういった事務所も見つかるはずですよ。
将来は大手で働きたい人
税理士試験に専念している人や、いま中小の税理士法人や会計事務所で働いている人で、「将来は大手で働いてみたいなー」と言う人は、大学院がおすすめ。
なぜなら、大手の税理士法人や上場企業で求められているスキルは、「幅広い知識」というより「いかに必要な分野に詳しいか」だからです。
大手税理士法人の場合
大手の税理士法人の場合、メインは法人税になります。
その中でも申告(連結納税などを含む)や組織再編、M&Aや国際税務、移転価格など、専門にする分野・領域によって部署が別れています。
そのため、「幅広く」と言うよりも「いかに専門性が高いか」の方が、重宝されやすいです。
大手企業の場合
大企業も同じです。
税理士業界から一般企業に転職する場合、企業の経理部に配属になることがほとんど。
他の候補者と差をつけるなら、「特定の分野の専門性の深さ」です。
とすると、求められるのは、所得税や相続税よりも、法人税などのその企業のビジネスに合った専門知識。
例えば、グローバルに広く展開している企業であれば国際税務や移転価格。
国内に多くの子会社を持っている会社であれば、連結納税や組織再編。
といった感じです。
【本音】学生よりも社会人向けです…
もちろん、大学を卒業してそのまま大学院にいくのもアリです。
ですが、実務経験がある人こそ大学院に行くべきです。
「大学で学んだこと、今でもしっかり覚えてますよ!」という人、決して多くないと思います。
やっぱり、仕事でどのように生かせるかイメージができないと、なんとなく授業を受けておわっちゃったりしますよね。
実務を経験しているからこそ、税金の成り立ちや考え方などが、ちゃんと理解することができます。
✓税理士試験、自分にあった勉強法を選ぼう
【様々な受講形態OK】
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まとめ
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特に、経験者のキャリアアップに繋がる求人が多いため、次のステップを目指す人におすすめ!
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さいごに、この記事のおさらいです。
試験合格vs大学院免除、どちらを選ぶべきかについては、以下の通りです。
結論、就職に影響なし。
「早く合格する方」を選んで、早く実務経験を積もう。
税理士試験は、かなり厳しくしんどいもの。
ですが、実務で学ぶことの方が、受験で学ぶことよりはるかに多いです。
また、実務についてから、分からないこと・自分で勉強しなきゃいけないことはたくさんあります。
だからこそ、就職にも影響しないなら「どの科目に合格するか」よりも「早く実務につくこと」を優先することがおすすめ。
合格スピードが、その後のキャリアにも大きく影響しますよ。
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今回は以上です。
税理士試験に頑張っている人、これから頑張ろうという人。試験合格を応援してくれる会計事務所・税理士法人はたくさんあります。
自分にあった環境を選んで、ぜひ早く合格して実務で活躍してくださいね。
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