副業に興味があるサラリーマン
『副業に興味はあるけど、いまの会社は副業禁止だし、、、バレたらどうなるのかな?あと、副業ってやっぱりやらなきゃいけないのかな?副業がなんで重要なのか知りたいな。』
こんな疑問にお答えします。
✓この記事の想定読者
・副業に興味がある人
・副業禁止の会社で働いている人
・興味はあるけど、副業を始められていない人
こんにちは、複数の大手企業で採用担当をしていた、税理士のまぐすです。
この記事では『大きく儲けなくても、少しでも家計を助けたい』『将来に備えたい』という人に向けて、『副業の違法性とこれからの時代の副業の重要性』というテーマで紹介します。
「副業時代の幕開け」ともいわれた2018年。
これは、政府からから発表された「副業・兼業の促進に関するガイドライン(案)」がきっかけと言われています。
事実、多くの企業で『副業解禁』が広がっています。(詳しくは、こちらの記事「コロナで見えた「会社依存が危険な理由」とこれからやるべきこと【転職の悩み】」で紹介しています。)
そのため、『副業に興味ある!』というサラリーマン・会社員も多いはず
ですが、副業禁止の会社では、バレたときどうなるか不安という人も多いはず。
この記事を読めば、『禁止の副業がバレたらどうなるか?』『どんな副業ならチャレンジできるのか』『なぜこれから副業が重要なのか』が分かり、少しだけ家庭・生活が豊かになるきっかけになると思いますよ。
副業に少しでも興味がある人は、ぜひチェックしてみてくださいね。
それでは、紹介していきます。
📓もくじ
禁止の副業バレたらクビ?【違法性は?】
大手企業を中心に副業解禁の傾向にある現代。
ですが、社内のルールで禁止されている場合、ばれたらどうなるか気になるって言う人、少なくないと思います。
結論、よほどのことがない限り、一発でクビになることはないはず。
副業禁止に法的拘束力はない
今でも副業禁止している会社はたくさんあります。
ですが、副業禁止ルールに違反したからといって、それだけで違法とかっていうわけではありません。
というのも、憲法で『職業選択の自由』が認められているからです。
憲法第22条:
何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。
明確に『副業が・・・』という表現ではないものの、職業選択の自由があるため、就業規則で副業を縛ることは、憲法22条に抵触する可能性も懸念されています。
さらに、厚生労働省が発表する『モデル就業規則』でも、「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」という文言が削除されたことからも、政府も副業推進のポジションをとっているといわれています。
そのため、副業がバレたからといってすぐクビということは、基本ないです。
どんな副業が問題になるか
実際、仕方なく副業しているって言う人も、少なくないです。
例えば、実家の相続税対策などで親の不動産管理会社を手伝っていて、給料をもらっているという人もいると思います。
とはいえ、どんな副業でもOKというわけでもありません。
事実、憲法22条でも『公共の福祉に反しない限り』という条件がありますよね。
これは、会社員であれば『会社に損害を与えない限り』という感じで解釈されることが多いです。
実際、どのような場合に問題になるかというと、以下のような場合です。
✓副業が問題になる場合
・副業のために遅刻や欠勤が多くなったと判断される場合
・競合する他社でのアルバイトは会社の利益が損なわれると判断される
・会社固有の技術やノウハウが漏洩されると判断される場合
・会社の名前や名刺を使って副業を行なう場合
・違法な仕事をして会社の品位を落とす惧れがある場合(風俗関連など)
出展:人事のミカタ『就業規則で定めた兼業禁止を守らない社員を解雇できますか?』
『即クビ』はないにしても、副業の内容次第では、問題になる可能性は否定できませんよね。
副業がダメな職業もある
また、誰でも副業できるかというと、そんな事はありません。
例えば、以下のような人は注意が必要です。
・公務員
・銀行員やコンサルタント
公務員の場合、国家公務員法 第103~104条、地方公務員法 第38条で、副業の範囲が制限されています。
理由は、以下のとおりとされています。
・公務員としての信用を失う行為につながるかも、、、
・守秘義務を守れなくなるかも、、、
・本業に専念できなくなるかも、、、
公務員の給料は税金でまかなわれています。
公共性が高い仕事であるため、何となくイメージできるかと思います。
さらに、銀行員やコンサルタントなどの一定の職業の人も、副業に制限が生じるケースがあります。
なぜなら、「普段なら知り得ないお金に関する情報」を知り得る立場にあるため。
例えば銀行員なら、株やFX。
コンサルタントなら、上場企業の内部情報を尻言える立場になれば、秘密保持契約以外にも、その会社の株を売買しないことについての誓約書を書かれると言うケースも多いです。
立場や職業によって、副業の選び方には注意が必要ですよね。
これからの時代における副業の重要性
そう思う人もいるかもしれません。
ですが、これからの時代、副業の重要性はグイグイ上昇する可能性があります。
理由は、大きく3つあります。
それは、以下のとおりです。
✓副業の重要性がこれから更に増す理由
理由①:年金問題
理由②:終身雇用の崩壊
理由③:格差社会の拡大
理由①:年金問題
年金問題。
これは知ってるという人、少なくないと思います。
2019年6月3日付、いわゆる「老後2000万円報告書」(「高齢社会における資産形成・管理」金融審議会市場ワーキンググループ)、そしてそれに対する麻生大臣の発言。
当時はかなりセンセーショナルでしたよね。
金融庁は3日、人生100年時代を見据えた資産形成を促す報告書をまとめた。
長寿化によって会社を定年退職した後の人生が延びるため、95歳まで生きるには夫婦で約2千万円の金融資産の取り崩しが必要になるとの試算を示した。
出展:日本経済新聞『人生100年時代、2000万円が不足 金融庁が報告書』
せっかく会社に一生を捧げて、ちゃんと税金を支払って、『さぁ老後を夫婦2人で楽しもう!』
そう思ったら『え、お小遣い?なんのことですか?』とバッサリ期待を裏切られちゃう、そんなイメージかもしれません。
長年サラリーマンで頑張っていた人・これから社会で頑張ろうと思っている若手会社員こそ、そのショックは大きかったかもしれません。
でも、年金に期待し、人や国に頼っていては何ら保証があるわけじゃない。
そう考えなきゃいけない時代が、現実として突き付けられたといってもおかしくないかもしれませんよね。
理由②:終身雇用の崩壊
そう思う人もいるかもしれません。
ですが、それすら『ちょっと注意ですよ!』というのが現代。
日本のサラリーマンの支え、『終身雇用』すら既に危ういです、、、
日本企業の特徴・サラリーマンの心の支えともなっていた終身雇用。
これももう、限界がすぐそこまで来ています。
2019年5月13日、経団連の中西宏明会長や、トヨタ自動車の豊田章男社長が「終身雇用」について発言されたこと、知っている人も多いと思います。
かなり話題になりましたよね。
こうした事態・時代背景を受けて、政府も副業を推進しています。
政府は副業・兼業を推進するための環境整備を積極化させる。
企業が副業を認める際にモデルとなる就業規則の普及に取り組むほか、労災保険の拡大など労務管理のルールも見直す。副業を希望する人は年々増えているが、制度の不備などを指摘する声は企業側に多い。
出展:日本経済新聞『副業推進へ政策総動員 政府、労働ルール作りに着手 就業規則や労務管理』
そのため、副業でメチャメチャ儲かるわけじゃなくても、今後は多くの人が副業にチャレンジしてみるのが一般的になるかもですよね。
理由③:格差社会の拡大
そう思う人もいるかもしれません。
ですが、今後さらに格差社会は拡大していきます。
これ、もちろん僕の個人的な考えではありません。
ビルゲイツ、ハーバード大学、イェール大学教授など、現代社会をよく知る著名な方々から『ノーベル賞級』と大絶賛されたこちらの本。
こちらで突き付けられた確固たる事実・誰もがムシできない現実なんです。
ここで紹介されているのは、有名な以下の公式。
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『ん?何かの暗号?単純すぎて意味わかんない』そう思う人がほとんどだと思います。
これは『資本収益率が経済成長率を上回る』、つまり『バリバリ頑張るサラリーマンが働くより、資産家がどんどん豊かになる』ということ。
事実、日本の給料は上がっていない
悲しい現実ですが、ここ10年、世界で見ても日本だけは給料がほとんど上がっていません。
27年間で上昇した年収は、わずか7万円とも言われています。
国税庁の「民間給与実態統計調査」によると、1990年の平均給与は425万2000円(1年勤続者、以下同)。1990年以降、平均給与はしばらく上昇するのだが、1997年の467万3000円をピークに下がり始める。
その後、ずるずると下がり続けて、2017年は432万2000円となる。1990年からの27年間で、上昇した平均給与はわずか7万円ということになる。
出展:東洋経済online『日本人の給料がほとんど上がらない5つの要因』
以下は、給料の伸び率を『1997年=100とした場合』の指数です。
つまり、『100なら1997年と同じ』ということになりますが、先進国で唯一、日本だけが100未満となっています。
出展:東洋経済online『日本人の給料がほとんど上がらない5つの要因』
第二次世界大戦後の世界的経済成長時代。
そのときと同じように、シャカリキに働いているだけでは経済的安定・豊かさは、いつまでたっても手にできない。
そんな現実を、突き付けられてますよね。
給料は上がらない、だけど社会保険料は上がっている
『給料は上がらないけど、生活は変わらないってことだよね』というと、実はそういうわけではありません。
というのも、入ってくるお金は変わらないけど、出ていくお金は増えているんです。
事実、社会保険料はどんどん増加し、健康保険組合連合会(健保連)ですら危機感を示す事態になっています。
健康保険組合連合会(健保連)は9日、大企業の会社員などが入る健康保険組合で2022年度にも医療・介護・年金を合わせた社会保険料率が初めて30%(労使合計)を超えるとの推計を発表した。
「料率30%時代が迫っている」。9日に開いた会見で、健保連の河本滋史常務理事は危機感をあらわにした。
出展:日本経済新聞2019/9/9『迫る会社員保険料30% 健保連「22年危機」と改革訴え』
以下のグラフは、2010年からの保険料率の増加を示したものです。
出展:日本経済新聞2019/9/9『迫る会社員保険料30% 健保連「22年危機」と改革訴え』
さらに2020年、上記の会見のあとで新型コロナウイルスの問題が発生。
ますます会社員に課せられる負担は増えるかもしれません。
東日本大震災が起きたあと『復興特別所得税』で国民負担が増えたのと同様、『コロナ復興税』みたいなものがあるかもしれません。
一つ目は、東日本大震災の後に課されることになった「復興税」などによる増税の可能性だ。通常の所得税や法人税に上乗せする形を取る。
二つ目はどういう名称や形をとるにせよ、コロナ対策のために支出した財政支出分を通常の税金とは別区分にして徴収する方法だ。国民が認識できるよう「可視化」することで、国民の理解も得られやすそうだ。
三つ目は、何らかの金融所得課税を課す方法だ。
出展:東洋経済online『コロナ後は「増税時代」が到来するかもしれない 「100兆円規模」の財政赤字をどうするのか?』
そんな現実を突きつけられたからこそ、働いている会社だけでなく、収入源を増やして『お金のなる木(=資産)』を増やしていくことが大事というわけですね。
さいごに
以上のとおり、副業禁止の会社であっても、現在の法律上は『即解雇』というケースは稀。
会社に損害を与えるケースや、立場を悪用するようなケースでない限り、注意で済むケースがほとんどのようです。
ただし、就業規則違反とされる可能性アリ。ちゃんと誤って、理由を説明しよう。
とはいえ、バレたときに法律を振りかざすのは違いますよね。
就業規則違反となる可能性はもちろんあります。
この記事を読んでくれている人ならわかってもらえると思いますが、ちゃんと誤って、理由を説明するのがおすすめ。
副業はあくまで“副”。
本業を失っては本末転倒です。
この記事を読んで、無理のない範囲で副業にチャレンジして、少しでも家庭・生活の豊かさにつなげてくれていれば嬉しいです。
今回は以上です。
ありがとうございました。