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成長できる会計事務所選びで注目すべきポイント【採用担当税理士が解説】

 

税理士業界で転職するか悩んでいる人

『税理士業界での転職を検討しているんだけど、ちゃんと成長できる環境がいいな。働いていてちゃんと成長できる税理士法人や会計事務所の特徴とかあったら教えてほしいな。あと、選ぶポイントとかあれば知りたいな。』

こんな疑問にお答えします。

✓この記事の想定読者

・税理士業界に挑戦しようと思っている人

・いまの会計事務所から転職しようと思っている人

・どんな会計事務所があるか知りたい人

こんにちは、税理士のまぐすです。

この記事では、税理士業界での転職を考えている人に向けて、「成長できる会計事務所・税理士法人の特徴」を、「仕事内容」と「人間関係」にフォーカスして紹介します。

✓この記事の信頼性

この記事を書いている僕は、元4大税理士税理士法人で働いていました。

また、採用担当マネージャーも担当していたため、様々な税理士業界の事務所の働き方や労働環境についてリサーチしていました。

「成長できる環境」と言えば「研修が充実している」とか「資格手当が出る」といったことが真っ先に頭に浮かぶ人も多いと思います。

ただ、これらは募集要項を見ればすぐに分かるし、多くの記事でも紹介していたので、この記事では敢えて「仕事内容」と「人間関係」にフォーカスしてみました。

もちろん、会計事務所によって環境も状況も個性も違うので、全てが当てはまるというわけではないかもしれません。

ですが、「なぜ仕事内容と人間関係が成長に影響するのか」についても説明していきますので、1つでも事務所選びの際の参考になったら嬉しいです。

それでは、紹介していきます。

 

仕事内容に関する特徴

まずは、仕事内容に関する特徴を紹介します。こちらの特徴がある又はありそうな事務所を選ぶときには、慎重になった方がいいと思います。

言われれば当然と思う部分もあると思いますが、最後までご覧くださいね。

 

特徴①:簿記や経理経験、資格を活かせない

 

こういった悩みを抱えている人は、せっかく簿記や事業会社の経理経験、税理士資格などを有しているのにもかかわらず、それを生かせる仕事がその事務所にないことに対して不安を抱いていると思います。

その場合、その事務所にずっといても、状況が改善される見込みは低いかもしれません。

なぜなら、スキルや経験を伸ばせる案件が、そもそもその事務所にないかもしれないから。

そもそも、高度な税務知識を要するような案件や、複雑な経理処理を求められるような案件がその事務所自体になければ、今後そういった案件に挑戦できる機会がないかもしれません。

というのも、会計事務所は、そもそも受注する案件のスコープ(=対象)をはじめから絞り込んでいるところが多いです。

もし、その会計事務所に興味のある案件がなければ、今後も事務所の方針が大きく変わらなければ、担当できる可能性は低いかもしれません。

 

一方で、税法は年々高度化している

 

この記事をご覧になっているということは、「自己成長」に興味のある向上心のある人だと思います。

そのため、すでにご存じだと思いますが、近年、税法はどんどん複雑化・高度化しています。

昨今の税法は、例えば仮想通貨や消費税増税などの個人にも身近な税務処理や、租税回避や国際税務などの大手企業向けの税法に関しても、より複雑化しています。

にも関わらず、もしそういった高度な案件を受注しない事務所では、そもそも上司や先輩、所長自体がそのような知識・経験を持っていないかもしれません。

「誰も教えてくれる人がいない」「誰も手伝ってくれない」という環境かもしれません。

そういった事務所がこれから急にそのような案件を受注する事は考えにくいので、今のこ売り手市場を利用して、そのような案件を取り扱っている事務所や法人に転職することも、検討してみるのがおすすめです。

 

特徴②:税に自信がつかない

 

実はこれ、個人の会計事務所から4大税理士法人などの大手まで、幅広く該当します。

会計事務所・税理士法人の仕事の中には、税金知識が身に付かない仕事が、実はたくさなります。

会計事務所・税理士法人ではあるものの、税務知識を使わない仕事がたくさんあります。たとえば、以下のような業務です。

・単純な記帳業務のみ

・税務調整や税務論点がほとんどない会社の税務申告が多い

・クロスボーダーM&A

・M&A案件などのF A(ファイナンシャル・アドバイザリー)業務

これらの業務は、会計税務に関する業務に派生する業務です。非常に大切な業務ですし、難しい業務もたくさんあります。

ただし、税務知識が身に付きにくい場合が多いです。

例えば、クロスボーダーM&A。一見、高度な語学力と税務知識が求められそうですが、メインの業務は「海外の取り纏め」です。

IFRSなどの世界共通基準の知識は身に付きますが、税法は各国で全く異なるので、税務知識は身に付きません。

 

税務知識がないとその後の転職が難しい、、、

 

税務知識が身に付かないと、税理士業界での市場価値を高めるのはかなり難しいです。

「将来こうなりたい」「次はこんなところに転職してステップアップしたい」と考えている人は、税務知識が身に付く環境の方がおすすめです。

税理士業界は高度な専門分野。自分のスキル・知識・経験が大切。

さらに、一般的に税理士業界は転職経験者が多いので、自分の市場価値を上げることにフォーカスすることも必要だと思います。

税金の勉強ができない一方で時間だけがすぎてしまうのは、何年やっても転職市場での価値を上げるのは難しいです。

税理士業界で「成長」を目指している人には、積極的におすすめはしないです。

 

働き方に関する特徴

続いて、「成長できる会計事務所・税理士法人」を見分けるときのポイントとして、「働き方」に関連するポイントを紹介します。

 

特徴①:繁忙期以外も帰りにくい

 

税理士業界は、所得税や法人税の申告期限が重なる1月あたりから3月あたりまで繁忙期である一方で、税理士試験のある7月から9月頃は比較的閑散期となります。

この時期は、どの事務所でも多くの人が長期休暇を取得しています。

忙しさばかりが目立ってしまう税理士業界であっても、年間を通してみれば、忙しい時と忙しくない時期があって、ちょうどバランスが取れています。

にもかかわらず、繁忙期以外の時期にも休みが取れないと言うのは理由があります。「成長」を妨げる原因となる理由を、2つ紹介しますね。

 

そもそも人的リソースが足りてない

 

休暇が取れない理由として、単純に人が足りていないかもしれません。

繁忙期以外の時期でも休めないということは、繁忙期はそれ以上に忙しくなると思います。

「忙しいってことは、たくさん仕事できるから成長できるのでは?」と思う人もいるかもしれません。確かにそうかもしれません。少なくとも、知識は身に付くかもしれません。(事実、社会人3年目くらいまでは、僕自身もそう思っていました。)

ですが、成長のためには、繁忙期以外の時期でも休めない・帰りにくいという環境はおすすめしません。

成長を考えるのであれば、きちんと自己研鑽できる時間や、精神的な健康も大切にするのがおすすめです。

会計事務所・税理士法人の多くが、最初のころは税務申告書や記帳業務など、手を動かす業務がメインとなります。

ですが、ポジションが上がっていくにつれ、「営業ノルマが与えられる」「セミナー資料を作らなきゃいけない」「チームマネジメントも必要」といった、税務知識以外のスキルも伸ばしていかなきゃ出世・いい転職はできなくなっていきます。

経験を積んでいくと、マネジメント能力や営業力など、仕事で身に付く税務知識以外のスキルを伸ばしていく必要があります。

そのため、そもそも人的リソースが足りていない事務所は、すぐに改善される可能は低く、成長機会を逃してしまうことになるかもしれません。

成長のためにも、ちゃんと繁忙期以外には長期休暇を取らせてくれる事務所を選びましょう。そうした事務所はいくらでもありますよ。

 

事務所の文化・慣習

 

「休暇を取らないことが美徳」「休暇を取れないのが当たり前」という風習の事務所なのかもしれません。

事務所の風習・慣習というのは、すぐには変わりません、、、

最近の税理士業界の動向としては、働く側にも配慮して、残業を減らす努力や、休暇を取りやすい制度にしたりと、事務所ごとに努力をしています。

繁忙期も帰りにくいというのは、そうした風習が根強く残っているのかもしれないので、しっかりと見極めた方がいいかもしれませんね。

 

特徴②:試験休暇をくれない

 

多くの税理士法人や会計事務所では、閑散期である7月ごろから、有給休暇と試験休暇を組み合わせて、試験に向けての長期休暇を取得させてくれるところが多くあります。

それらの税理士法人や会計事務所としては、早く試験に合格してもらって活躍してもらいたい!年間通じて業務に集中してもらいたい!と言う思いがあるからです。

ちゃんと従業員の将来のことまで考えてくれているといえると思います。

そのため、試験休暇をちゃんとくれないということは、その逆なのかもしれません、、、

というのも、一般的には、従業員が税理士試験に合格すると、以下のような変化があるからです。もしかしたら、そうした事務所は以下を避けたいのかもしれませんね。

 

給料が上がってしまう

 

個人や中堅規模の会計事務所では、税理士に合格していない人は、いわば『勉強中の身』。

最初のころは少し給料が低く、だけど税理士資格に合格して初めて給料が上がると言うことも多くあります。

ただし、もちろん試験に合格したからといって、スキルが一気に爆上げするわけではありませんよね。

そのため、合格を素直に応援してくれる事務所かどうかは、しっかり見極めたいポイントです。

 

転職されてしまう

 

転職市場においても同じです。

当然のことではありますが、資格を持っていないより持っている方が需要が高まります。

そのため、会計事務所としては、合格されてしまうと転職されてしまうリスクが上がるとも言い換えることができます。

 

【余談】転職しても大事なつながりは続く

 

転職をためらっている方の中には『事務所には不満があるけど、尊敬すべき上司や先輩がいるから止めにくい』と言う人がいます。

ですが、信頼関係が築けていれば、必ず関係性は続くでしょう。

仮に、頻繁に会う機会がなくなったとしても、税理士業界は非常に狭い業界です。例えば租税研究会のセミナーや同業他社との飲み会などで会うケースはかなり多いと思います。

したがって、それを理由に転職をためらっていると、とても時間を無駄にしてしまいますよ。

特徴③:休暇を取得しにくい

休暇をくれないと言うのは、会社の文化または所長の考えが大きいです。

上記でも説明しましたが、税理士業界には基本的には繁忙期と閑散期があります。 1年通してこれらのバランスが取れて初めて、企業として成り立つのです。

現在では税理士業界は圧倒的に売り手市場であるため、Big 4税理士法人を始めとする大半の事務所は、従業員の働き方の改善に力を入れています。

そのような環境だと、どんどん時間を無駄にしてしまって、転職市場での価値すらも下がってしまうかもしれませんよ。

 

さいごに

紹介したポイント3つのおさらいです。

仕事内容|特徴①:簿記や経理経験、資格を活かせない

仕事内容|特徴②:税に自信がつかない

働き方|特徴①:繁忙期以外も帰りにくい

働き方|特徴②:試験休暇をくれない

働き方|特徴③:休暇が取りにくい

今回は「成長」という、税理士業界で働く人にはとても重要なことをテーマに取り上げてみました。

今回紹介した特徴・項目は、就職・転職活動のときには見えにくい部分ではありますが、成長のためには本当に大切なポイントです。

 

これらポイントの見分け方

 

ただ、正直なところこれらポイントを事前に見極めることはかなり大変です、、、

僕の場合は、税理士業界の転職に強い転職エージェントを利用しました。

正直、これらポイントはその事務所の実態をよく知っている人しか分かりません。

こちらの記事で詳しく紹介していますが、転職を成功させるためには、税理士業界の転職に強い転職エージェントを利用するのが一番です。

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こちらの記事で、税理士業界の転職に強いおすすめの転職サイト・エージェントを詳しく紹介しているので、ぜひ自分にあったところに登録して、最適な事務所を探してみてくださいね。

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今回は以上です。ありがとうございました。

 

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