転職活動で悩んでいる人
『希望する求人が見つかったけど、年収ダウンしちゃうかもしれない、、、いまより待遇が悪くなっちゃうかもしれないんだけど、転職すべきなのかな?年収ダウンで悩んでるんだけど、そういう場合どうすればいいのかな。』
こんな疑問にお答えします。
✓この記事の想定読者
・転職で年収が下がることに不安がある人
・家族の理解が得られるか不安な人
・生活が維持できるか不安な人
こんにちは、複数の企業で採用担当をしていた、税理士のまぐすです。
この記事では、「年収ダウンが不安」という人に向けて、不安な原因とその対処法を紹介します。
✓この記事の信頼性
この記事を書いている僕は、4大税理士法人から5大総合商社・大手金融を経て、現在ではまったり海外生活をしています。
自分自身、複数回の転職では年収ダウンの求人に応募したこともあり、そういったときは様々な対処法を試してきました。
また、それぞれの企業で採用担当者をしていました。他の企業も比較しながら、採用基準を検討していました。
転職する場合、年収ダウンというケースは多くあります。
例えば、「大手企業からベンチャーへの転職」「新しい業界へのチャレンジ」「転職市場が盛り上がってない」など。
この記事では、そのように年収が下がってでも転職するか悩んだときにすべきことを紹介します。
年収が下がることに不安があるという人に、1つでも参考になれば嬉しいです。
それでは、紹介していきますね。
📓もくじ
年収ダウンで転職しようか悩んだときの対処法
転職でせっかくいい求人が見つかったのに、年収ダウンしてまで転職すべきか、悩みますよね。
例えば、以下のような不安があると思います。
・年収が下がることに漠然とした不安がある
・家族の理解が得られるか不安
・生活が維持できるか不安
そのため、まずは不安の原因を考えましょう。
というのも、不安の原因を知ることはとても大事なことだからです。
「世界三大幸福論」の1つと言われるアランの『幸福論』でも紹介されていましたが、「不安の原因が分からない限り、感情をコントロールすることはできない」とされています。
そこでまずは、主な「年収ダウンが不安な理由・原因」を紹介します。
年収ダウンが不安な主な理由は、以下のいずれかの場合が考えられます。
✓年収ダウンが不安な原因
原因①:年収ダウンの理由が明確になっていない
原因②:転職の目的を見失っちゃってる
原因③:長期的視点でキャリアを考えられていない
以下では、それぞれの原因について深掘りしていきます。
原因①:年収ダウンの理由が明確になっていない
まず不安に思う1つ目の理由は、「転職によって年収ダウンの理由がよく分からない」ということが考えられます。
年収ダウンの理由を把握していれば、事前に対処できるかもしれない
見つけた求人の年収がいまより下回ってたり、実際に提示されたオファーの待遇が今より悪そうであっても、その理由が分かればきっと事前に対処することも可能です。
転職で年収が変わらない・ダウンは60%以上
そう思っている人も少なくないかもしれません。
ですが、厚生労働省が平成30年中に転職した人を対象に行った調査によれば、実は60%以上の人が「年収据え置き、または年収ダウン」と答えています。
内訳は、以下の通りです。
前職と転職先の賃金差 | 該当者の割合 |
変わらない | 27.2% |
~マイナス10%未満 | 7.6% |
~マイナス10%以上 | 26.6% |
Total | 61.4% |
出展:厚生労働省「平成 30 年雇用動向調査結果の概況」
平成 30 年1年間の転職入職者の賃金変動状況をみると、前職の賃金に比べ「増加」した割合は37.0%、「減少」した割合は 34.2%、「変わらない」の割合は 27.2%となっている。
出展:厚生労働省「平成 30 年雇用動向調査結果の概況」
実は、転職者のうち多くの人が、転職によって年収がダウンしていることが分かります。
年収ダウンの理由はたくさんある
一言で「年収ダウン」といっても、色んな理由があります。
例えば、主な理由として以下のようかことが上げられます。
✓年収ダウンの理由例
・年収交渉をしなかった
・諸手当や賞与を確認していなかった
・過去の経験が生かせるポジションじゃない
・その業界自体の景気動向が悪かった
・その会社の業績が下降気味
上記の通り、理由は様々ですが、その理由は大きく以下の2つに分けられます。
✓年収ダウンの主な理由は2種類
・応募者自身がどうにかできること
・応募者自身では、どうにもできないこと
「応募者自身がどうにかできたこと」は分かりやすいですよね。
例えば「年収交渉をしなかった」「諸手当や賞与、福利厚生など応募要項のチェックが甘かった」などです。
これは、自分自身でしっかりと調査するか、ちゃんと誰かのサポートを受ければ対処できます。
一方で、その人自身ではどうにもできないこともあります。
例えば「その業界全体の景気が悪くなった」「転職後に会社の業績が悪化した」などです。
これは転職時点では、自分自身ではどうにもできないかもしれません。
そのため、転職活動をしている時点で、その業界をしっかりとリサーチするか、詳しい人に確認するほかないと思います。
まずは、年収ダウンの理由を把握していれば、対処できる余地はあるということです。
対処法
上記の通り、「年収ダウンの理由がよく分からないかも、、、」という人は、まずはその原因を突き止めることが大切です。
上記の通り、希望する求人が年収ダウンになる場合、以下の2つの理由に区分できます。
① 応募者自身がどうにかできること
② 応募者自身では、どうにもできないこと
とはいえ、一人で対処するのはおすすめしない
とはいえ、「①応募者自身がどうにかできること」についても、一人で対処することはおすすめしません。
例えば、上記で挙げた以下の例を挙げてみます。
・年収交渉をしなかった
・諸手当や賞与を確認していなかった
これらが原因だとしても、「自分ひとりで年収交渉するのって不安だな、、、」という人も少なくないと思います。
事実、応募者自ら年収交渉しようとすると、面接官がどう思うかも分からないし、諸手当などの細かな待遇について確認すると、伝え方次第では「この人はお金のことばかりだな、、、」とネガティブな印象を持たれないとも限りません。
年収のことは繊細な問題。
だからこそ、「自分ひとりで対処して内定を失っちゃった」なんてことにならないためにも、一人で対処することはおすすめできません。
自分にあったエージェントを活用しよう
そのため、その会社・その業界に詳しい転職エージェントを活用するようにしましょう。
企業との交渉は、応募者自身がやるのはかなり難しいことです。
ですが、その企業の太陽担当者と以前からコネクションを持っているエージェントであれば、その応募者に代わって、角が立たないように交渉してくれます。
また、応募者自身ではどうにもできないことについても、エージェントを活用して損はありません。
例えば「その業界自体の景気動向」や「その企業の業績」についても、インターネットで取れる情報などに比べれば、もっと詳しい情報を知っているはず。
自分の希望する業種・職種・ポジションにあった転職エージェントを活用すれば、年収ダウンの理由が分かるし、事前にそれに対処することも可能になると思いますよ。
原因②:転職の目的を見失っちゃってる
「年収ダウンの転職が不安」という原因の2つ目は、「転職の目的が明確じゃない」または「転職の目的を見失っちゃってる」ということです。
転職活動中は「年収」に目が行きがち
転職活動をしたことがある人なら「分かる!」という人も少なくないと思いますが、転職活動をしていると、途中から徐々に年収が気になるようになります。
それは、企業側の立場に立つと分かりやすいです。
✓企業側の気持ち
企業の採用担当をしていた立場からすると「魅力的な人をどうにか採用しようと思うと、企業としては年収を上げることくらいでしかアピールできないから」です。
特に、大手企業も並行して応募している人に対し、中小企業が「どうにか採用したい」と思った時が分かりやすいかもしれません。
大手企業は「ブランド」「安定」「福利厚生」などの面で、一般的には中小企業よりも利があります。
そうなると、中小企業としてはコントロールできる項目、つまり「年収」でアピールするしかなくなるからです。
もちろんこれは一例で、中小企業に限った話ではありません。
転職活動ではよくある話だし、僕自身も採用担当としてこういった交渉を行ったことはありますよ。
転職の目的を定期的に見直そう
転職というと、まず「年収アップ」が思い浮かぶ人も少なくないかもしれません。
ですが実は、「年収アップ」を狙って転職する人って、全体の10%くらいなんです。
厚生労働省の調査によれば、転職理由が「給料等収入が少なかった」という人が、男性:10.2%、女性:8.8%しかいないんです。
上記で紹介した厚生労働省の調査によれば、転職理由が「年収」という人は、実は1割程度しかいません。
平成 30 年1年間の転職入職者が前職を辞めた理由をみると、男性は「その他の理由(出向等を含む)」29.4%を除くと「定年・契約期間の満了」16.9%が最も高く、次いで「給料等収入が少なかった」10.2%となっている。
女性は「その他の理由(出向等を含む)」25.5%を除くと「定年・契約期間の満了」14.8%が最も高く、次いで「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」13.4%となっている。
出展:厚生労働省「平成 30 年雇用動向調査結果の概況」
そのため、本来の転職理由が「年収」以外の人も多いはず。
本来の目的を見失ってしまうと、「年収ダウン」だけに目が行ってしまって、不安に感じてしまうかもしれません。
転職の前、転職活動中、内定後、いずれのタイミングでも「転職の目的」はちゃんと覚えておくように意識した方が不安はなくなりますよ。
「年収」ではなく「時給」で考えるのもアリ
どうしても「年収ダウン」が気になってしまう人は、「時給」で考えるのもアリ。
上記の厚生労働省の調査によれば、実は「労働時間休日等の労働条件が悪かった」が理由の人が、男性:10.0%、女性:13.4%となっています。
つまり、年収と同じくらいの割合で「残業時間や休暇」が理由の人もいるということ。
そのため、「どうしても年収ダウンが気になるな、、、」という人は、一度「年収」ではなく「時給」で考えるのもアリ。
「時給」で考えると「実は上がってる!」ということもあるし、これまで残業していた時間を「家族と過ごせる」「勉強時間に充てられる」「旅行に行ける」など、良い部分が見つかるかもしれませんよ。
対処法
「転職の目的を見失っちゃってるかも、、、」という人は、出来るだけ早い段階から、相談できる人・信頼できる人に話しておくことが大事。
「どんな企業に興味がある」「この求人はどうかな?」など、常に共有しておけば、もし目的を見失いそうになったときでも振り返ることができるかもしれません。
ただし、もし「家族に相談する」という時は少し注意してくださいね。
伝え方やタイミングを間違うと、不安を煽ることになり、転職つまり「変化」に対して否定的になってしまうかもしれません。
例えば、以下のようなコメントです。
・せっかく務めてきたのにもったいない、、、
・年収下がったら、生活どうするの、、、
・次の会社の人と上手く付き合っていけるの?
もちろん、転職は家族にも影響するもの。相談することは大事です。
ですが、家族に伝えるタイミングやその伝え方についても、しっかりと事前に相談しておくのがおすすめ。
原因③:長期的視点でキャリアを考えられていない
「年収ダウン」といっても、必ずしも「生涯年収が下がる」とは限りません。
転職直後の年収は下がったとしても、それがずっと続くわけではないということも多いからです。
転職時の年収の決め方は3種類
一言で「年収」といっても、その決め方は企業・業種・ポジションによって様々です。
その決め方は、主に以下の3つがあります。
✓転職者の年収の決め方
「前給保証」:前職の年収をベースに決まる
「年功序列」:その企業の、年齢別のテーブルに応じて決まる
「成果型」:固定給は低いものの、年収の大部分が成果に応じて決まる
一般的には、「前給保証」であれば、現職よりも年収が上がる可能性が高いです。
というのも、企業としては年収を上げるというインセンティブを与えることで、有望な応募者にどうにか入社してもらうためです。
ただし、「年功序列」「成果」の場合には、提示された固定給だけでなく、長期的な目線で年収を判断する必要があります。
「年功序列」の場合、今は前職よりも年収が下がったとしても、例えば30歳・40歳など、一区切りつく年齢になれば、大幅に年収が上がるというケースも多くあります。
また、「成果型」の場合には、「基本的には固定給は低めに設定し、大部分が前年の成果に応じて決まる」ということもあります。その場合、前年実績がない転職者は、初年度は少し年収ダウンとなってしまうだけで、「2年目以降は大幅アップ!」なんてこともよくあります。
その企業の年収の決め方を把握しておけば、それほど不安にならずに済むかもしれませんよ。
身に付くスキルに価値があるかも
「年収」自体は下がっても、「生涯収入は上がる」ということも十分可能です。
President Onlineのこちらの記事でも紹介されていますが、「市場価値を高めれば年収は自ずと上がる」と言われています。
転職活動では「上司の評価」や「会社からの評価」ではなく、自分よりも10倍、100倍の実績を出せる人と「転職市場における市場価値」で比較されることになるのです。
出展:President Online「「年収240万→1500万」32歳6社目リーマンの鉄則」
そのため、仮に今回の転職で年収ダウンになったとしても、次の転職ではさらに市場価値が高まる転職になるかもしれません。
また、そこで身に付いたスキルで、将来は独立して年収アップも期待できるかもしれません。
単純に目先の年収に目を向けるだけでなく、「将来稼げるスキルが身に付くかも」という長期的な目線を持つことが、生涯収入を高める上では重要になるかもしれません。
対処法
希望する会社の年収の決め方を事前に把握しておけば、初年度の年収ダウンの不安も少なくなるかもしれません。
そのため、求人情報や口コミ、実際にそこで働いている人のSNSをチェックしてみるなど、広く情報収集していれば、把握できるかもしれません。
ただしその場合、リサーチに多くの時間が必要になるかもしれないし、その情報が必ずしも正しいとは限りません。
そのため、確実な方法は「実際に企業に確認すること」です。
とはいえ、上記で説明した通り、年収に関して応募者が直接採用担当者に聞くのは難しいこと、、、
そのため、実際にその企業・その求人の部署で働いている人に聞いてみるか、その企業に詳しいエージェントを利用することがおすすめ。
まとめ
この記事のおさらいです。
今回紹介した、年収ダウンが不安な主な理由は、以下のいずれかの場合が考えられます。
✓年収ダウンが不安な原因
原因①:年収ダウンの理由が明確になっていない
原因②:転職の目的を見失っちゃってる
原因③:長期的視点でキャリアを考えられていない
どの原因も、一人きりでは解決しにくい原因です。
「1人で求人を見て、自分で調べていても、不安が増すだけ」なんてことも多いと思います。
僕が転職した経験では、自分の希望する求人にあった転職エージェントを活用することです。
1人で悩んでいるのではなく、ぜひ自分にあった転職エージェントをうまく活用して、不安を解消してくださいね。
その他にも、転職エージェントを活用するメリットは以下の記事で紹介しています。

また、自分に合った転職エージェントの選び方については、こちらの記事でポイントを詳しくまとめています。
ぜひ参考にしてみてくださいね。

今回は以上です。少しでも不安解消に役立てていれば嬉しいです。
ありがとうございました。