こんにちは、まぐすです。
先日、4大税理士法人について以下のような質問をいただきました。
まぐす様
お忙しいところすみません。
この度、big4税理士法人の4法人から内定を頂き、どこの法人を選べば良いか悩んでおります。
大学院を卒業した後(—ご本人様のご経歴の説明—)、xx歳からの転職なのですが、将来的にはまぐす様のような経験を身に付けたく、
差し支えなければ、big4の中でもどちらの法人がオススメかご教示頂けないでしょうか?
お手数をおかけして恐縮ですが、宜しくお願い致します。
そこで、この記事では「4大税理士法人それぞれの特徴や違い」について、実体験や4大税理士法人で働く仲間や先輩たちの話、実際に4大税理士法人それぞれを使ってみた結果から、紹介していきたいと思います。
✓この記事の想定読者
・4大税理士法人で働くことに興味がある人
・4大税理士法人を活用したい人
・税理士業界への転職を検討している人
もちろん、企業比較は個人的な意見が多くなりますが、上記のような人の参考になれば嬉しいです。
✓この記事の信頼性
この記事を書いている僕は、元々4大税理士法人で働いていました。また、転職のときにもほかの4大税理士法人からもオファーをもらっていました。
そしてその後、コンサル、総合商社、大手金融で働き、「4大税理士法人を使う立場」でも働いていました。
それでは、紹介していきますね。
📓もくじ
はじめに【注意点】
この記事では、4大税理士法人それぞれの特徴や違いを、僕の経験や知識から紹介します。
とはいえ、勝手に批判するわけにはいかないので、各項目についてランキング形式で紹介していきたいと思います。
この記事を読んでくださっている方はお分かりだと思いますが、以下の点はお知り置きくださいね。
・完全に個人的な意見なので、実際働いている人は気分悪くならないでくださいね、、、
・もちろん、部署や直属のパートナーによっても違う
・僕の知っているのは2010~2020年くらいの情報(昔の話は、、、)
・項目ごとに、できるだけ「いい部分」を紹介していきますね。
なお、「4大税理士法人に興味はあるけど、、、いまいちよく分からない」という人は、先にこちらの記事を見てくださいね。
4大税理士法人について詳しく解説しています。
また、「これから初めて税理士業界に挑戦したいんです!」という人には、税理士業界全体について、こちらの記事で紹介しているので、こちらも併せて確認してみてください。
4大税理士法人それぞれの特徴や違い
それでは、4大税理士法人それぞれの特徴や違いについて紹介していきます。
今回比較・紹介するのは、以下の項目です。
①:年収
②:学歴
③:残業の多さ
④:人間関係や雰囲気
⑤:働きやすさ
⑥:成長感
⑦:海外赴任のしやすさ
では、紹介していきます。
①:年収
まず年収ですが、一番いいのは以下の税理士法人です。
KPMG税理士法人
そもそも基本給ってどのくらい?
4大税理士法人は、どこもポジションによって基本給がおおむね決められています。
また、それぞれの4大税理士法人で、それほど違いはありません。
ポジションごとの年収・基本給については、こちらの記事で詳しく紹介しているので、まずはこちらをご覧くださいね。
もちろん、転職者などは少し違うと思いますが、だいたいの目安はつかめるはずですよ。
基本給に騙されちゃダメ
上記で基本給を紹介しましたが、年収を調べるときに注意すべきは「基本給に騙されちゃダメ」ということ。
税理士業界は、年明けから繁忙期に入ります。個人や企業の申告期限が増えるからです。
その時期は残業も多くなるので、年収を比べるときには、基本給以外の給与での違いを比較しましょう。
違いが出るのは、主に以下の点です。
・残業代の出やすさ
・業績ボーナスの額
・タクシー代の支給
上記からすれば、4大税理士法人の中ではKPMG税理士法人が一番多いと言われています。
今はなくなりましたが、KPMG税理士法人では昔「残業食事代」も支給されてましたよ。
少し残業すれば、食事代(2,000円くらい)がもらえるのはいいですよね。
また、業績ボーナスもかなりの額がもらえます。
このボーナスは部署ごとで違うので、その部署が儲かっているかどうかによりますが、僕が働いていた5大総合商社にも勝るほどでしたよ。
残業代は今後変わるかも
でも、注意が必要です。
実は、ここ数年でどの4大税理士法人にも「労働基準監督署の調査」が入ったと言われています。
そのため、どの4大税理士法人も残業時間を厳しく管理する方針に変わってきています。
基本的には、22時以降の残業を制限する4大税理士法人が増えています。
もし今後も管理が厳しくなれば、「残業時間が減る→残業代が減る」という流れになるかもしれません。
②:学歴
次に、社内で働く人の学歴を紹介していきます。
学歴、特にパートナーの人たちの学歴が一番高いのは、こちらの税理士法人です。
PwC税理士法人
PwC税理士法人は公認会計士が多い
PwC税理士法人が学歴が高い理由の1つに、「税理士ではなく公認会計士が多いこと」が挙げられると思います。
一般的に、税理士よりも公認会計士の方が学歴がいいと思います、、、
特に、PwC税理士法人のパートナーの方々は、学歴も高く、大学院の客員教授をされている方も多いのが特徴です。
③:残業の多さ
残業の多さは、正直どこも違いはあまりありません。
ですが、お互いに違う4大税理士法人で働く仲間内での共通認識は、以下のとおりです。
KPMG税理士法人 or PwC税理士法人
KPMG税理士法人は、特に残業が多い(特に繁忙期)という印象です。
一方でPwC税理士法人は、年間通して残業が多い印象です。
④:人間関係や雰囲気
働く上で、人間関係や雰囲気って大切ですよね。
これは、単純に離職率だけでは測れないと思います。(「人間関係で辞めた」って人以外にも、専門家なので「スキルアップを目指して」など、前向きな転職もありますからね。)
僕が思う、人間関係や雰囲気が一番いい税理士法人は、こちらです。
デロイトトーマツ税理士法人
特に、4大税理士法人からの転職者で、長くデロイトトーマツ税理士法人で働き続けている人が多いのが特徴です。
もちろん、他の4大税理士法人と大きな違いはないかもしれませんが、「人間関係での悩みが解消された」という人が多いのも事実です。
⑤:働きやすさ
働きやすさについては、上記で紹介した「人間関係」や「残業の多さ」も関係してくると思うので、ここでは単純に「仕事をするための環境」にフォーカスして紹介します。
仕事をするための環境が一番整っているのは、こちらの税理士法人です。
KPMG税理士法人
実は、KPMG税理士法人は、各人の席がパーティションで区切られています。
そのため、オフィスが静かで、集中しやすい環境です。
それに、遅刻してもバレにくいなんてのもあります。笑
デメリットもある
パーテーションで区切られ、集中しやすい環境ではあるけど、デメリットもあります。
それは、社内でのコミュニケーションが取りにくいというところ。
・上司への相談や報告がしにくい
・他の部署の人の顔が分かりにくい
こんなところがあります。
他の税理士法人も働き方に特徴がある
とはいえ、他の税理士法人にも働きやすい環境づくりの工夫があります。
例えば、EY税理士法人であれば、2018年3月から東京ミッドタウン日比谷にオフィスを移転しました。この移転で、デスクがフリーアドレス制に変わりました。
また、デロイト トーマツ税理士法人では、在宅勤務を推奨しています。
そのため、お子さんがいるお母さんなども働きやすい環境になってきているといえます。
女性の働きやすさ
デロイト トーマツ税理士法人では、在宅勤務を推奨していることを紹介しましたが、女性の働きやすさについては、それ以外では違いはないかなと思います。
どの4大税理士法人でも、「小さいお子さんがいるお母さんが働きやすい部署」があります。
例えば、記帳代行を専門にやるチームがある部署などです。
そういった部署は、お子さんがいる方が多く働いています。時短勤務の人もいますよ。
⑥:成長感・スキルの高さ
せっかく4大税理士法人で働くんだから、高度な専門知識を身に付けて成長したいと思いますよね。
そこで、僕が思う一番スキルの高い税理士法人は、以下の税理士法人です。
PwC税理士法人
上記でも説明しましたが、公認会計士が多いからというのも影響しているかもしれません。
高い会計知識があるため、その分の付加価値があるのかもしれません。
さらに、(名前は控えますが)業界の大御所が多く所属しています。そういった人たちに質問できる環境も、スキルの高さに繋がっています。
また、部署間での仕事の交流も多いのが特徴です。
例えば、法人税の申告書作成チームの人が、繁忙期でないときには移転価格チームに加えてもらったりして、知識の幅を広げる工夫をしています。
他の税理士法人にもスキル面で特徴がある
とはいえ、他の税理士法人にも、スキルを磨くための特徴が多くあります。
例えば、EY税理士法人は対クライアントでの営業力では、かなり高いという印象です。
「レスの速さ」「牽引力」など、専門家として「見落とされがち、だけど大切なスキル」はEY税理士法人の特徴です。
また、成果物や説明資料についてはKPMG税理士法人の評価が高いです。
見た目や簡潔さなど、クライアントが分かりやすい工夫がされていて、専門家としては必要なスキルですよね。
実際、多くの企業の経理担当者が「KPMG税理士法人のHPで調べたんですが、、、」という声をよく聞きます。
⑦:海外赴任のしやすさ
海外赴任のし易さで一番は、こちらの税理士法人です。
・デロイト トーマツ税理士法人
・PwC税理士法人
こちらの2つは、希望者には積極的に海外赴任させています。
実際に、僕が就職・転職するときのオファーをもらったときの紹介では、積極的に海外赴任させていることを特徴の1つに挙げていました。
確かに、僕の周りでもこの2つの税理士法人の人が、特に多く海外赴任しています。
4大税理士法人には、英語もできる人が多くいます。でも、そういった人でも、大半は就職してから英語の勉強をしています。
そんな人の1人だった僕の英語の勉強法は、以下の記事にまとめています。
【補足】好待遇で4大税理士法人へ転職する方法
「4大税理士法人で働いてみたい」と思った人に向けて、好待遇で4大税理士法人へ転職する方法を紹介します。
それはずばり、転職エージェントを利用することです。
特に、初めて転職する人や、初めて税理士業界に挑戦する人はマストだと思ってます。
4大税理士法人のホームページを見ると、どこも採用ページがあります。もちろん、そちらから応募することも可能です。
ですが、『好待遇』で転職したいなら、僕は転職エージェントを利用することをおすすめします。
その理由は、以下の通りです。
理由①:待遇は人事部ではなくパートナーが決める
理由②:ある程度わがままが通る
理由③:売り手市場なのでちゃんと希望を伝えるべき
直接応募すると、どうしても立場は「税理士法人>応募者」になりがちです。
ですが、上記の通り、しっかりと希望は伝えるべきです。
とはいえ、あまりわがまますぎても不採用になってしまうかも、、、
だからこそ、もし内定がもらえる自信があっても、より良い待遇で入社するために転職エージェントは利用すべきです。
僕がおすすめする転職エージェントは、こちらの記事で詳しく紹介しています。ぜひ自分にあった転職サイトに登録して、最適な転職エージェントから応募してみてくださいね。
最も大切なのが、「キーとなるパートナーとのコネクションがあるか」です。
そのため、上記のうち2~3社は登録しておいた方がいいと思います(登録は無料です)。
さいごに
さいごに、この記事のおさらいです。
①:年収【KPMG税理士法人】
②:学歴【PwC税理士法人】
③:残業の多さ【KPMG税理士法人orデロイト トーマツ税理士法人】
④:人間関係や雰囲気【デロイトトーマツ税理士法人】
⑤:働きやすさ【PwC税理士法人or KPMG税理士法人】
⑥:成長感・スキルの高さ【PwC税理士法人】
⑦:海外赴任のしやすさ【デロイト トーマツ税理士法人orPwC税理士法人】
とはいえ、ブログでは情報に限界があります。「書きたいぶっちゃけ話が書けない」「根拠のない批判や荒らしがある」など、、、
「4大税理士法人で働くことに興味ある人が、本当に知りたいコアな部分が伝えきれていないかもしれない」
そう思ったので、そういった情報はこちらのnote「【実体験】4大税理士法人それぞれの特徴や違いを正直に紹介【元Big4税理士が紹介】」に存分にまとめました。
ブログやTwitterでは言いにくいぶっちゃけ話も含め、約10,000文字超に漏れなくまとめているので、より詳しく知りたい人はぜひご覧ください。
また、4大税理士法人の仕事内容については、こちらの記事で詳しく解説しています。
転職を考えている人には、こちらの記事もおすすめ。
「でも、自分は4大税理士法人でやっていけるのかな、、、」と悩んでいる人には、こちらの記事もおすすめ。該当するポイントがあれば、きっとやっていけると思いますよ。
今回は以上です。
4大税理士法人への転職に悩んでいる人は、ぜひお問い合わせページからご連絡ください。
記事にできない情報などもお伝えしますよ。