転職に興味のある会計事務所で働く人
『一般企業への転職に興味があるんだけど、実際のところどうなのかな。せっかく会計事務所で働いてるんだし、一般企業の経理に行ってもあまり意味ないのかな。会計事務所から一般企業経理に転職した人の話が知りたいな。あと、転職を成功させるコツとかあれば教えて欲しい。』
こんな疑問にお答えします。
✓この記事の想定読者
・転職に興味がある会計事務所で働く人
・一般企業の経理への転職に興味がある人
・これからのキャリアに悩んでいる会計事務所で働く人
こんにちは、元4大税理士法人から5大総合商社・大手金融とキャリアを積んだ、税理士のまぐすです。
この記事では、一般企業への転職に興味がある会計事務所で働く人に向けて、「一般企業経理への転職がおすすめな理由と成功のコツ」を紹介します。
✓この記事の信頼性
この記事を書いている僕は、4大税理士法人から5大総合商社・大手金融を経て、現在ではまったり海外生活をしています。
また、現職でもそうですが、各企業では採用担当もしていました。
そのため、会計事務所→一般企業への転職でキャリアップする方法や、企業側の採用事情についても把握しています。
この記事を読めば、会計事務所から一般企業の経理へ転職するとどんなメリットがあるか、そして採用されるためのポイントが分かりますよ。
ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。
📓もくじ
会計事務所から一般企業の経理への転職がおすすめな理由
まずは結論。
会計事務所から一般企業の経理への転職がおすすめな理由は、以下の通りです。
理由①:年収アップが狙える
理由②:学歴コンプも逆転可能
理由③:ワークライフバランスも改善が狙える
理由④:専門家としてもスキルアップ可能
以下では、これらの理由について深掘りして解説しますね。
年収アップが狙える
まず挙げられるのが、「簡単に年収を上げられるかも」と言うこと。
会計事務所は年収が低い、、、かも
会計事務所で働く人の多くが、税理士資格や科目合格、日商簿記など、何らかの資格を持っている人が多い。
でも、それに対して「年収が高い」かと言うと、そんなことないです。
こちらの記事「会計事務所の仕事の年収・時給・給料情報」によれば、会計事務所の平均年収は473万円。初任給は22万円程度とされています。(これ、正社員の年収です。)
そう思う人もいるかもしれません。
ですが、東京都に限定したら平均年収は434万円。むしろ下がってます。
「ん、これって高いの?低いの?」
そう思う人もいるかもしれません。以下の表をみてください。下表は、国税庁HPなどから平均年収をまとめた表です。
分類 | 平均年収 |
全国の会社員 | 441万円(※1) |
上場企業1,841社 | 629万円(※2) |
会計事務所 | 473万円(※3) |
※1 出展:国税庁「平成30年分民間給与実態統計調査結果について」
※2 出展:東京商工リサーチ「2019年3月期決算「上場企業1,841社の平均年間給与」調査」
※3 出展:求人ボックス 給料ナビ「会計事務所の仕事の年収・時給・給料情報」(更新日:2020年6月28日付)
これをみて、「でも平均年収よりは高いし」と思う人もいるかもしれません。
でも、税理士資格や科目合格、日商簿記など、何らかの資格を持っている人が多いことを考えると「決して高くはないな、、、」と思う人、少なくないんじゃないかと思います。
もちろん、会計事務所の規模やそこでのポジションによっても違うし、一般企業の業種や業態でも変わってきます。
でも、平均年収とそれほど変わらず、かつ、上場企業に比べて大幅に低い事実を、まずは受け入れなきゃですよね。
もちろん、資格をとって独立すれば、年収は天井知らず。もっと上を狙えます。
だからこそ、会社員時代は「修行の身」と割り切るのがいいかもですね。
福利厚生も一般企業の方がいい
また、福利厚生についても、多くの会計事務所が充実しているとは言えません。
というのも、ほとんどの会計事務所が、一般企業で言う中小零細企業だから。
どの会計事務所も、一般企業でいうところの中小零細企業、または個人事業主です。
これは、4大税理士法人など大手税理士法人を含めてもです。
以下の記事でも詳しく紹介していますが、4大税理士法人だって、従業員数は500~600人くらい。
そのため、福利厚生の水準は、一般企業の中小零細企業と同じくらいと思った方がいいです。
例えば、新卒で入社する地方出身者であっても、家賃補助が出るような会計事務所は、ほとんどありませんよ。
そのため、中小企業や上場企業に転職した方が、福利厚生が充実するケースが多いです。
ボーナスも一般企業の方がいい
ボーナスも、会計事務所よりは一般企業の方が高いケースが多いです。
一般企業のボーナスは、その業界の景気に左右されるため、1回のボーナスが100万円を超える!なんてケースも。
つまり、ボーナスは基本的に、その業界の景気次第。
景気に左右されにくい会計事務所は、ボーナスがすごくもらえると言うケースは、かなり稀ですよ。
学歴コンプも逆転可能
新卒時では入りにくかった人気企業。
こんな企業にだって、会計事務所から一般企業の経理へ転職する場合は、十分に狙えます。
理由は、「そもそもライバルが少ないから」です。
一般企業で内製化はムリ
最近では新聞でも報道されることが増えましたが、人気の大手企業でも中途採用が増えています。
これまで中途採用に消極的だった大手企業も含めてです。
理由は、主に以下の2つ。
✓いま大手企業が狙い目な理由
理由①:大手企業の評価制度の変更【実力主義へ】
理由②:大手企業では転職者の需要が加速【即戦力採用で対応力強化】
事実、2019年5月13日に発表されたパーソルキャリアの調べによれば、「4月の中途採用の求人数は、前年同月比4.5%増え、2008年1月の調査開始以来、過去最高を更新した」とされています。
例えば、トヨタ自動車や、同じく自動車業界のホンダでは、採用枠の4~5割を中途採用に充てる方針を発表しています。
詳しくは、こちらの記事で紹介しているのでぜひ併せてチェックしてみてくださいね。
会社内で一から育てるより、スキルのある人材を取った方が、企業側にもメリットがあるということですね。
こちらの記事でも詳しく紹介しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
税務知識があれば、資格なしでも十分狙える
そう思う人もいるかもしれません。
確かに、公認会計士や税理士資格をもっている人は、企業から興味を持たれやすいです。
資格は、ある程度の『知識の証明』になりますからね。
でも、しっかりとスキル・経験をアピールできれば、資格がなくても全然OKです。
大手企業で採用担当をしているとき、書類審査のときから資格は絶対条件ではありませんでした。
資格がなくても、ちゃんとスキルや経験がをアピールできれば、採用される可能性は十分にあります。
その理由は、以下の2つです。
✓資格がなくても転職可能な理由
理由①:企業側にとって、資格は要らない。
理由②:大手を含む会計事務所には、無資格者もたくさんいる。
まず言えるのは、企業側が欲しいのは資格ではありません。
「企業が抱える課題、悩みに対応できるスキルを持った人材」です。
仮に税理士資格を持っていても、登録料がかかってしまうので未登録の人も多いですしね。
そして2つ目は、会計事務所にも無資格者が多いと言うこと。
これは、4大税理士法人を含む大手税理士法人も同じです。
科目合格者と言うわけでなく、そもそも税金知識がなく入社している人も多い。
例えば、移転価格や国際税務を扱う部署にいる人は、無資格者が結構多いです。
それでも、一般企業の求める人材であれば、いくらでも採用されます。
資格がないからといって諦める必要はないし、入社してから勉強してもOKです。
興味があれば、チャレンジしてみるのがおすすめですよ。
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ワークライフバランスも改善が狙える
一般企業に入れば、ワークライフバランスの改善も期待できます。
特に、大手企業であれば、間違いなく働き方は変わると思います。
近年の労働基準法の強化により、コンプライアンス意識の高い大手企業は、働き方の改善に力を注いでいます。
というのも、2019年から施行されている「働き方改革」に伴う労働基準法改正によって、時間外労働の上限規制などが大幅に見直されているからです。
これまでも労働時間の目安はあったものの、法的強制力はなかった。
ですが、今回の改正では、繁忙期や顧客対応のためなど、臨時的な理由であっても定められた時間外労働の上限を超えることが出来なくなりました。
なお、今回の改正の主なポイントは、以下のとおりです。
・時間外労働の上限規制
・年次有給休暇の確実な取得
・フレックスタイム制の拡充
・高度プロフェッショナル制度
出展:厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署「働き方改革関連法のあらまし(改正労働基準法編)」
この改正によって、大企業は2019年4月から、中小企業については2020年4月から適用されることになります。
ただし、会計事務所だと働き方に限界がある
実際に働いている人はよくわかると思いますが、会計事務所の働き方改革には限界があります。
なぜなら、多くの会計事務所が、税務申告時期には繁忙期を迎えるか。
法人税や所得税の申告期限が多い、年明けから梅雨の時期にかけて、かなり忙しいと言う会計事務所で働く人も多いはず。
事実、上記の労働基準法改正でも、税理士は「高度プロフェッショナル制度」の対象とされています。
この「高度プロフェッショナル制度」は、簡単にいえば「専門性の高い一定の仕事・立場の人は、残業時間規制の対象外」ということ。
一定の条件などは細かく規定されていますが、「会計事務所の特殊性の表れ」の一つかもしれませんね。
とはいえ、この時期は会計事務所で働く人が一番成長できる時期でもあります。
自分の環境や状況に合わせて、働き方を選ぶのがおすすめですね。
一般企業経理の方が、職場環境は改善されそう
もちろん、一般企業でも、決算時期などは忙しい。
ですが、会計事務所に比べると、そんな繁忙期への対応も、手厚くなっています。
例えば、その分振替休日が与えられたり、忙しいとは言え夜22時には完全退社等です。
このような取り組みをしている企業を選べば、間違いなく働き方は変わると思います。
上記で紹介した労働基準法改正も、大企業だけでなく中小企業にも適用されてますからね。
会計事務所での忙しさに悩んでいる人は、一度検討してみるのがおすすめ。
✓一般企業の経理に強い転職サイト・エージェント
JAC Recruitment|管理・専門職、ミドル・ハイクラス向けの高年収層に特化した転職エージェント。薦めたい転職エージェントNo.1にも選ばれ、管理部門(経理、人事、総務等)の転職に強いです。
MS-Japan: 経理を含む管理部門、会計士や税理士など有資格者に特化したサイト。経験を生かした新しい求人を教えてくれる可能性が高いため、登録必須。
リクルートエージェント: 支援実績と求人数が圧倒的に多い。上の2つと提携していない企業の求人を取りこぼさないように、念のため登録した方がいい。
専門家としてもスキルアップ可能
そう思う人も少なくないと思います。実際、それが理由で税理士法人から転職しないという人も多くいます。
確かに、税理士業界に入ってまだ十分な経験をつんでいない人は、そうかもしれません。
でも、十分に経験とスキルがあれば、むしろ一般企業に入ることでスキルアップも可能です。
以下では、その理由を紹介しますね。
理由①:現場を知ることができる
これが、一番のメリットかもしれません。
一般企業経理を経験すれば、企業の内部資料や作成プロセスを学べる。
会計事務所の仕事は、会計・税務・人事、どれを取っても「会社の内部情報」が基礎。
そんな社内情報のうち、サービスに必要な情報を、的確に得ることが大切。
ですが、「一般企業にどのような社内資料があるか」「どのようなプロセスで作られるか」を知らないと、どんな資料が欲しいのかすら、クライアントに伝えることができないという人も、、、
企業の内部資料や作成プロセスを学ぶことで、専門家・アドバイザーとしての質を上げることができますよ。
詳しくはこちらの記事で紹介しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
理由②:グローバルな仕事もできるかも
4大税理士法人や、国内大手税理士法人。
「こういったところに入社すれば、毎日バリバリ英語を使うようなグローバルな仕事ができる」と思っている人、少なくないと思います。
実は、4大税理士法人や国内大手税理士法人で毎日バリバリ英語を使っている人は、ほんの一握りですよ。
実は、こういった大手税理士法人でも、毎日バリバリ英語を使っている人はほとんどいません。
例えば、移転価格チームの人や、国際税務を専門にやっている人くらい。
さらに、「国際税務」といっても、海外と毎日やりとりするような人はかなり少ないです。
理由③:結局は自分次第(会計事務所でも同じ)
実際のところ、企業の中には会計事務所の人を超えるほど、会計や税務に詳しい人もいます。
会計事務所で働いている人なら、「この人、めっちゃ詳しいな!」「質問が鋭いな」と思った経験、一度くらいあるんじゃないかと思います。
結局のところ、知識のインプットは自分次第です。
上記で紹介したとおり、実務を学べる環境という意味では、一般企業でも多くを学べます。
ですが、インプットについては、結局は自分次第。
一般企業でも、とても勉強されている“税理士泣かせ”ともいえる担当者も結構います。笑
環境だけのせいにしちゃダメですよね。
一般企業経理への転職成功のコツ
ここでは、「実際どうすれば一般企業への転職を成功させられるか」について、紹介します。
まず結論。大切なのは以下の2つです。。
コツ①:スキルセット
コツ②:転職活動の仕方
コツ①:スキルセット|得意な分野・スキルがないとキツい
上記で紹介したとおり、一般企業が中途採用を強化している理由は、以下の2つ。
理由①:大手企業の評価制度の変更【実力主義へ】
理由②:大手企業では転職者の需要が加速【即戦力採用で対応力強化】
上記からわかることは、「即戦力となるスキルを持った人材を求めている」ということ。
社内で対応できる人材がいないから、既にスキルのある中途採用でそれを補おうことが目的。
そのため、得意な分野や十分なスキルがなければ、採用されるのはちょっと難しいかも、、、
人気の大手企業など、一般企業を狙うなら、まずは会計事務所でスキルをつけることを考えるのがおすすめ。
スキルがあれば、転職はいくらでも狙えますよ。
コツ①:スキルセット|企業の需要にあったスキルを身につけよう
また、身につけるスキルも重要。
上記のとおり、「企業が求めるスキルを持った人材」になれれば、採用は狙えます。
なお、一般企業が求めるスキルとは、主に以下のとおりです。
✓一般企業経理に就職するためにおすすめのスキル
・法人税
・国際税務
・移転価格
これらは、多くの一般企業、特に上場企業などで求められるスキル。
これらのスキルがあれば、全然チャレンジしてみるべきですよ。
英語もあるとさらに強い
さらに、英語力はさらに強みになります。
人気の大手企業のほとんどが、海外にも展開しているグローバル企業。
「会計×英語」という二つのスキルを掛け合わせるだけでも、かなり魅力的な人材になります。
「でも、英語ってこれから必要なくなるんじゃない!?」と思う人もいるかもしれません。
でも、想像以上に英語ができる人材って少ない。
TOEICでいえば「中学英語レベル」の600点を超える人は30%以下です。
もちろん「英語だけ」では強みにならないかもしれません。でもこれからも英語力は必要だし、「会計」「税務」など別のスキルとかけ合わせれば、さらに貴重な人材になれますよ。
英語に興味がある人は、ぜひ併せてチャレンジしてみるべきですよ。
コツ②:転職活動の仕方|転職活動では「非公開求人」を狙おう
「じゃあ、とりあえず転職活動してみよっかな」という人、一つポイントがあります。
好待遇で一般企業に就職するなら、必ず非公開求人を狙おう。
一般企業、特に人気の大手企業や上場企業になると、その求人はいくら探してもなかなか見つかりません。
というのも、企業側に以下のような都合があるからです。
✓人気の求人が普通には見つからない企業側の都合
都合①:選考をスムーズに進めたい
都合②:早急に採用したい
都合③:重要ポストなので、一般に知られたくない
都合④:自分の会社の人たちに知られたくない
詳しくは、こちらの記事で紹介しているので、ぜひ併せてチェックしてみてくださいね。
非公開求人の探し方
と思う人もいるかもしれません。
結論、非公開求人は転職エージェントが独自で持っています。
これは、転職エージェントを利用するメリットの1つ。
こちらの記事でも紹介していますが、上記で紹介した企業側の都合により、非公開求人は転職エージェント経由でしか見つからないケースがほとんど。
一般企業の経理回の転職に興味がある人は、必ずエージェントを利用しましょう。
(僕の知る限り、エージェントを使わずに一般企業の経理に転職できた人は、ほぼいません。)
まとめ
税理士・会計事務所への転職専門のエージェント『Hupro(ヒュープロ)』。
特に、経験者のキャリアアップに繋がる求人が多いため、次のステップを目指す人におすすめ!
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さいごに、この記事のまとめです。
まずは結論。
会計事務所から一般企業の経理への転職がおすすめな理由は、以下の通りです。
理由①:年収アップが狙える
理由②:学歴コンプも逆転可能
理由③:ワークライフバランスも改善が狙える
理由④:専門家としてもスキルアップ可能
さらに、近年は人気の大手企業でも中途採用が多くなっています。
「年収を上げたい」「働き方を改善したい」「専門家としてスキルアップしたい」など、いろんな理由があると思いますが、一般企業の経理に興味があれば、チャレンジしてみるのがおすすめ。
もちろん、「会計事務所で働くのはおすすめしない」というわけではありません。
ですが、これまで以上に“会計事務所 → 一般企業経理”でキャリアアップしている人が多い・キャリアアップできる環境が整ってきているのは事実。
理想とするキャリアや状況に合わせて、一般企業経理もチャレンジしてみる価値はありますよ。
この記事が、転職成功に少しでも役立てていれば嬉しいです。
今回は以上です。
ありがとうございました。
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